コロナ禍による社会の変化やインターネットの普及で、企業にとっては今やWEB集客は欠かせないものとなり、実際にここ数年で力を入れはじめた会社が増えてきています。実際にWEB集客を始めた方の中には、問い合わせが来ずお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事ではWEB集客をはじめてはみたものの成果が上がっていない場合の改善方法についてご説明します。自社の状況を見つめ直しながら、改善すべき点を洗い出してみましょう。
WEB集客の基本を知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
目次
WEB集客を始めたのに問い合わせ0…そのようなお悩みはありませんか?
WEB集客とはインターネットを使った集客のことで、さまざまな手法があります。とはいえ、ただホームページを作るだけ、広告を出してみるだけでは、なかなか効果は現れません。実際にWEB集客を始めても、ホームページへのアクセスが増えず、問い合わせに繋がらないため集客が上手く行かないという場合も多々あります。
では、どのようにしたらWEB集客の改善を図ることができるのでしょうか。
以降、問い合わせ0の状態から獲得していくための基礎的なポイントと、そこからさらにサイトの流入や問い合わせを獲得していくための応用を見ていきましょう。
【初級編】WEB集客での問い合わせ獲得に悩んだらやるべき改善方法
WEB集客の肝となるホームページには、ユーザーに訴求するために必要な要素があります。いくら見栄えの良いホームページを作成して公開しても、その要素が欠けていると訴求の効果が薄れてしまいます。本章では、実際にホームページの作成を行う中で必須となる要素と流れを整理していきます。
ホームページ作成において問い合わせ獲得のために必須な7つのポイント
上図は、ホームページを作成するにおいて問い合わせ獲得のために必要な7つのポイントになります。
問い合わせを獲得するためのホームページを作成するに当たって、どのような人に、どのようなニーズがあり、どのようなメリットがあるのかなどの要素を落とし込んでいくことが重要になります。上図の7つのポイントと掲載の流れをもとに、必要な要素が欠けていないか、自社のホームページを見直してみましょう。
次に、7つのポイントの中でも他社と差をつける3つの重要なポイントを整理していきます。
問い合わせ獲得のために特に意識したい3つのポイント
①自社が提供できる価値・メリット
「このサービスに依頼したら自分は何を得ることができるのだろうか?」とユーザーは利用や契約に伴って得られるメリットを考えています。そこが曖昧で不透明だと、会社・サービスとしての信用が得られず、問い合わせには繋がりません。サービスの実績を入れることも必要不可欠ですが、それに合わせて自社のサービスがサイトを訪れるユーザーや見込み客に対して提供できる価値やメリットを明らかにすることが重要です。
②お客様の声
自社サービスを利用したお客様からの声があることにより、サイトを訪れたユーザーは、よりリアルな実績を目にすることができます。数字だけの実績に加えて、実際のお客様の声を掲載することにより、サイトを訪問するユーザー、見込み客に対してより説得力を与えることができます。 お客様の声を掲載するにあたって、顔写真を入れることによってよりリアルにお客様の声を反映することができます。またインタビュー内容を掲載したり、実際のインタビュー動画を掲載することも有効です。
③サービス運用者を明確にする
サービスの運用者がわかっているかどうかで、サービスに対する信用が変化し問い合わせにも影響が出てきます。「このサービスはどのような人たちが運用しているのか?」と明確になっているほうが、ユーザーも安心して問い合わせができるようになり、顧客の獲得に繋がっていきます。
(まとめ)
ここまで、実際にWEB集客の改善をしていくにあたり、ホームページを作成する際に問い合わせ獲得のために必要な7つのポイントを確認してきました。特に取り上げた3つのポイントは、情報を明瞭化し、サイトを訪問するユーザーの抱える不安を解消するものとなります。サイトに訪問するユーザーの目線になって考え、ユーザーに刺さる情報を掲載することで、結果的に問い合わせに繋がるのです。
【上級編】WEB集客での問い合わせ獲得に悩んだらやるべき改善方法
前節では、ホームページを作成するにおいて問い合わせ獲得のために必要な7つのポイントを確認してきました。それに基づいてホームページを作成したものの、その後なかなか問い合わせに繋がらず、成果が伸びないという場合もあります。次に上級編として、ホームページを作成した後の対応をまとめていきます。
①コンテンツを作成する
集客を本格的に進めていくには、ホームページを作成するだけでは検索順位を上げることは難しいです。そのために、ホームページを訪れる検索ユーザーが検索するであろうキーワードを分析し、それに見合ったコンテンツを作成する必要があります。コンテンツを通して、問い合わせを獲得できる場合も大いにありますので、ユーザーの検索するキーワードを分析し、問い合わせを獲得できるようなコンテンツを作成してみましょう。
②PDCAサイクルを回す
②以降はコンテンツを作成したあとの対応になります。 ホームページやコンテンツを立ち上げっぱなし、施策をやりっぱなしでは、なかなか成果は上がりません。WEB集客を改善する上でもっとも重要なのはPDCAサイクルを回し続けることです。そのためには基準・目標を設けて、それを達成しているかどうか?を定期的に検証する必要があります。
③届けたい相手に正しく届いているか(キーワードの見直し)
情報を届けたい相手(ターゲット)からアクセスが集められているのかどうかも重要です。もしターゲット以外からのアクセスが多い場合、さらに改善を考える必要があります。もし情報がターゲットに届いていないようであればキーワードの見直しなどの施策を行います。また、視点をずらしたり、広げたりすることによって、別のキーワード案や手法を見つけ出すことも重要です。
④反響がズレていないか(CVRの改善)
ターゲットからのアクセスは集まっているが、狙った反響が得られない場合、CVRの改善が必要です。たとえば発注前提で相談したい人を集めるという目的に基づいてCVを「無料相談への申し込み」を設定したにも関わらず、情報収集段階の人ばかりが集まってきている場合、ズレが生じていることになります。
情報の打ち出し方がズレていないか?見せ方はこれでいいのか?ストーリーが正しく設計されているか?を見直し、問い合わせの質を上げていくための改善をしていくことが大切です。
【成功事例】アクセス数アップ、CV数アップの3つの事例
ここからは、弊社CMSproがコンサルティングを行い、WEB集客の改善に成功した事例を3つご紹介します。SEO対策やリスティング広告をどのように改善すれば集客につながるのか、イメージをつかむのにご活用ください。
月間アクセスが600件から14000件と2300%アップ
最初にご紹介するのは、75年と長い歴史をもつ部品・ねじの加工製造会社の事例です。ご依頼をいただいた当時は、創業から何十年も経ち、新規顧客の獲得に苦労されていました。自社でリスティング広告を運用されていましたが、ホームページがそれに合ったものになっておらず、効果測定も十分にできていませんでした。
そこで、ヒアリングをもとに、製造業の場合はSEOを強化することで有利なポジションに立てるのではないかという仮説を立て、次のような戦略をご提案しました。
- 情報を新しく網羅し、デザインも一新してホームページをリニューアル
- ターゲットニーズが高い複合キーワードを選定し、SEO対策を行う
SEO対策として、具体的には下記のことを行いました。
- 自社の製品やサービスをわかりやすく紹介するページを増やす
- カテゴリごとにハブとなるページを作成し、階層をわかりやすくする
- 月に2回程度新しいコラム記事を公開し、情報の質と鮮度を高める
これらの施策が功を奏し、運用前と比較すると、ホームページへの月間アクセス数は23倍に。それにともない当初はほぼゼロだったお問い合わせ数も、月平均15件になりました。今ではホームページからお問い合わせいただいたお客様だけで仕事が回せ、十分な収益が出ています。
この事例の詳細はこちらでもご紹介しています。
問い合わせ数月平均10件から26件2.6倍にアップ
2つめの事例は、ヨーロッパを起点として世界に製品を供給している企業の日本法人の事例です。この会社が扱う家庭用の介護設備は、日本の企業にはない独自の企画力と技術面でのクオリティに強みがあります。ご依頼いただいたときは、リスティング広告を行っていたものの成果が出ておらず、運用を任せていた会社への不満もお持ちでした。
まずはヒアリングを分析を徹底して行い、次のような課題が明確になりました。
- 過去の運用ではキーワードにはズレはないが、お問い合わせにつながっていない
- キーワード、広告、LPを分析すると、LPの構成や訴求の言葉が日本のマーケットに合っていない
そこで、次のような施策を行いました。
- 新しいLP2種類でABテストを行い、LPの改善を行う
- 新しいLPに合わせて、広告文を見直し
これによりクリック数・CV数が安定し、クライアントが求める問い合わせから「現地調査」につながる率が大幅に向上しました。次の課題として、問い合わせの数を増やしたいというご要望をいただき、さらに広告の運用面をこまやかに改善しました。
- 「クリック数最大化」から「コンバージョン数最大化」に変更
- 広告配信地域を営業所のあるエリアに変更
- キーワード以外の類語を詳細に分析し、CVにつながった類語を追加
この施策は、始めた翌10月にすぐに効果が出ました。問い合わせ数(フォーム送信のみの問合せ)が22件と倍を記録したのです。さらに、単発でSEOやGoogle広告のご相談もいただき、SEOを強化する方向で動き出しています。
この事例の詳細はこちらでもご紹介しています。
月間のアクセス数が4400%、お問い合わせ数870%アップ
最後にご紹介するのは、中古車の販売から修理・整備まで手がける企業の事例です。この会社のホームページは、車好きで腕利きのスタッフが更新するブログが以前から好評を博していました。弊社にSEO対策を任せていただいてから、セッション数は順調に伸び続けていましたが、肝心の問い合わせにつながらないという課題が見えてきました。
そこで、担当者がご提案した施策が次の2つです。
- コラム記事作成のためのキーワードリストを見直し、SEO対策を強化
- 記事の中に問い合わせボタンを入れるなど、導線を改良したデザインに変更
この施策はすぐに効果が現れ、アクセス数は月間7,000から月間9,000へ、問い合わせ数は月60件前後から120件と2倍になりました。
さらに継続して流入数を増やすため、弊社では、ニーズが高くて検索ボリュームが大きいキーワードで質の高いコラム記事を作成。コラム記事改善のタイミングで、クライアントのウェブ担当者が毎日欠かさずブログ記事をアップしてくださるようになりました。
この相乗効果で、約9ヶ月間でセッション数9,000から20,000へと急激に増加したうえ、問い合わせ数も120から130へとアップしました。運用前から比べると、月間のアクセス数が4400%、お問い合わせ数870%アップの成果が出ています。
この事例の詳細はこちらでもご紹介しています。
成功事例から見る、WEB集客の改善における共通点
最後に、成功事例から見る共通していた悩みと、改善ポイントを見ていきます。
成功事例に共通する悩み
3つの成功事例は、実際にWEB集客でSEO対策やリスティング広告をしていたが、問い合わせに繋がらず、顧客の獲得に苦戦をしていたということです。実際に自社でキーワードの調査や競合調査を行ってみても、情報収集に苦戦したり、集めたはいいものの具体的な対処法がわからないなど、WEB集客に関する知識がないと取り組みにくいところがあります。
また、運用を外注して任せていても、現状把握や的確な分析がされず、レポートの共有がないとWEB集客の成果は得ることが難しいです。 自社内での運用が難しい場合はプロのWEBマーケターに依頼するのも一つの方法です。
WEB集客コンサル会社選びのコツはこちらの関連記事をごらんください。
成功事例に共通する改善ポイント
3つの成功事例に共通する改善ポイントは、キーワードの見直しです。SEO対策においては、どのキーワードだったら問い合わせするユーザーが検索するかを考える必要があります。0から問い合わせを獲得していく中で、キーワードの選定・見直しは欠かせません。
また、キーワードの見直しの他にもホームページのデザインの変更や、コンテンツの投稿頻度・レイアウト(導線追加)の変更なども、問い合わせを獲得するための改善として挙げられます。
3つの成功事例は、問い合わせが来ない状態から改善を行い、問い合わせを獲得しているものです。共通する改善ポイントのほか、前掲のホームページやコンテンツを作成するにおいて問い合わせ獲得のために必要な7つのポイントを踏まえて、自社のホームページやコンテンツの見直しから改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。WEB集客で問い合わせが来ず悩んでいる、いまいち成果が上がっていない、改善ポイントがわからないという方は、必要な7つのポイントや、成功事例をもとにホームページやコンテンツを見直してみましょう。また、WEB集客は長期的な視野でWEB集客を取り組むものです。体制を整え、最適な施策を選んで実行しながら改善を続けていくことが成功に繋がる鍵となります。これらを参考に、WEB集客の改善に取り組んでみましょう。
監修者谷口 翔太リンヤ株式会社 代表取締役
2007年「リンヤ株式会社」を創業。WEBマーケティング歴16年。草創期より一貫してWEBマーケティング の専門家として、多くの企業の収益向上に貢献。これまでに手がけた企業は2902社。豊富な経験を活かし、SEO対策を中心とした効果的なWEB施策により集客最大化を図る。HP制作から運用まで顧客企業をトータルでサポートしている。