起業後、知名度が低い状態から集客や営業活動を成功させるのは大変です。とはいえ、集客や営業が上手くいかなければ、売上や利益に大きく影響します。そんな起業後すぐの時期こそ、ホームページの作成に適したタイミングであることをご存じでしょうか。起業時にホームページを作ったほうがいい理由と作成の手順やポイントについて詳しく解説します。
目次
起業時にホームページは必要?作ったほうがいい3つの理由
事業がまだ始まっていない段階でホームページが必要か?と迷う方もいらっしゃるでしょう。起業時からホームページを作ったほうがいい理由は3つあります。順に見ていきましょう。
①口座開設や融資などの手続きで必要になる
起業したばかりの会社は、社会的信用度が低い状態です。金融機関で新たに法人口座を開設する場合にも厳しい審査があります。事業内容や設立目的を確認するため、ホームページの提示が求められます。銀行から融資を得る時も同様です。ホームページがなければ、別途パンフレットやチラシなどの提出が必要です。
ただしホームページを見ても会社の事業内容・目的がわかりにくい場合、提出資料として認められません。会社概要や具体的な業務内容が明確に記されたホームページを作成する必要があります。
②取引先・顧客の信頼を得る名刺・パンフレットになる
BtoBで新規の取引を行う場合、取引相手の企業について情報収集を行うのが一般的です。提供している商品・サービスの内容はもちろんのこと、取引相手としてふさわしいか、信頼できる会社かどうかを入念に調べられます。業務内容や商品、サービスの強みなどが明確に記載されたホームページは、初めての取引先への名刺代わりになります。商品を宣伝するパンフレットとしても役立ちます。
せっかくホームページがあっても、取引先が検索をした際に表示されなければ意味がありません。会社名で検索してすぐに表示されるよう、最低限のSEO対策を行うことも重要です。
③24時間365日集客ができる
ホームページの大きなメリットは、24時間365日、休みなく集客できるところです。活用次第で、自動で見込み顧客を集めることが可能になります。人的リソースが不足しがちな起業当初は、集客ツールとして大いに役立ってくれるでしょう。
しかし、ただホームページを作成すればいいというわけではありません。自社商品やサービスを認知してもらうためには、検索エンジンで見つけてもらわなければならないからです。ホームページの開設当初から、WEBマーケティングの知識を取り入れた設計、運用を意識することが肝心です。
ホームページがなくてもよいケースは?
ホームページは起業時から役立ちますが、必要のないケースもあります。
WEB上には現在、ホームページ以外にもSNSや情報ポータル、プラットフォームなど多種多様なチャネルがあります。業種・業態によっては、集客したい顧客の利用頻度の高いチャネルを使うほうが効果的な場合もあります。
例えば飲食店などの店舗ビジネスや大手の情報ポータルの存在が強い場合は、ホームページ単体での集客は成果を出しにくい傾向にあります。事業者の数が多く、差別化しにくい不動産業界や人材業界なども同様です。このような業界では、ホームページでの集客にこだわる必要はありません。
起業時に必要なホームページの内容とは?
ホームページは、知りたい情報がわかりやすく整理されていることが重要です。図のように、必要な要素が階層ごとに整理されたツリー状の構成になる場合がほとんどです。ここでは、起業時のホームページで欠かせない項目について詳しく解説します。
トップページ
ホームページの入り口であり、最初に表示されるのがトップページです。会社をイメージする画像とキャッチコピーで構成されています。会社の顔であり、印象を左右する部分ですから、視覚的なわかりやすさが大切です。
会社概要
会社概要は記載すべき重要な項目で、企業の信用度を決定する情報が集約されています。具体的には「会社名」「代表者(名)」「設立(年)」「資本金」「事業内容」「電話番号」「本社所在地」が該当します。さらに、「主要取引先」「取引銀行」「従業員数」「売上高」などがあると、ホームページの信頼性が高まります。
サービス
事業の内容やサービスのコンセプトを詳しく伝えるページです。具体的な商品、サービスの特徴などを詳しく紹介します。ユーザーが見た際、どんな価値を生み出しているのかを明確に示すことが重要になってきます。商品・サービスが多岐にわたる場合は、一覧で紹介するページを作成し、一覧から詳細ページに飛べるようにリンクを設定します。
お問い合わせ
お問い合わせページはユーザーとの接点であり、WEB集客の玄関でもあります。会社概要やサービスを見て興味を持ってくれた方が、コンタクトしやすいような工夫が必要です。シンプルでわかりやすく、問い合わせのハードルの低いページ構成を心がけます。
その他のページ
ホームページの目的や事業内容によっては、これまでご紹介した4つのページ以外の要素を加えることをおすすめします。例えば会社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やメンバー紹介などを記載すれば、企業の方向性がわかりやすくなるメリットがあります。この他、運営するメディア(ブログ)や商品の販売ページなどをプラスすることがあります。
費用を抑えてホームページを作成するには?
会社の認知度向上や集客などさまざまなメリットが得られるホームページ。とはいえ、起業時はコストを抑えたいというのが本音でしょう。ここでは、費用の目安と3つの作成方法のメリット・デメリットについてまとめました。
ホームページ制作の費用の目安
一口にホームページといっても、目的やページ数によって必要なコストは大きく異なります。ページ数や内容、依頼先を想定したおおよその目安を表にしました。
費用 | 無料~10万円 | 10~50万円 | 50~300万円 |
---|---|---|---|
ページ | 1~5ページ程度 | 5ページ以上 | 5ページ以上 |
内容 | 最低限の情報を伝えるもの | 事業の内容を伝える「名刺」に相当するもの | 事業の詳細をより魅力的に伝える「パンフレット」に相当するもの + SEO、システム開発など |
制作の依頼先 | 自分 フリーランス 制作会社 |
フリーランス 制作会社 |
制作会社 |
コストを抑えたい場合は、自作する方法もあります。外注する場合は、フリーランスもしくは制作会社のどちらかに選択することになります。
自分で作成するときのメリット・デメリット
最もコストを抑えられるのは、ホームページを自作することです。自ら作成する際のメリットとデメリットは次の通りです。
メリット:コストがほとんどかからない
自作すれば、ドメイン取得やレンタルサーバー代はかかるものの、制作費用はかかりません。ホームページの最も簡単な自作方法は、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の活用です。
よく知られるWordPressなどは知識やスキル不要で、自分で簡単にホームページを作成できます。初心者ならテキストをテンプレートに当てはめるだけで作成可能なペライチやwixという選択肢もあります。
デメリット:文章力・構成力が必要
テンプレートなどを利用してホームページを自作する際は、シンプルなページしか作れません。デザインなどもパターン化されており、同業他社との差別化は難しくなります。
また、ユーザー視点で自社の魅力を伝えるために、構成力や表現力も必要です。ホームページを作成する作業そのものに加え、掲載する文章やコンテンツを企画、作成する時間も必要になります。
フリーランスに依頼するときのメリット・デメリット
次にコストが抑えられるのは、フリーランスに依頼する方法です。フリーランスに外注する場合のメリット、デメリットについて解説します。
メリット:コストを抑えることができる
ホームページ制作を個人で請け負っているフリーランサーも多く、制作会社よりリーズナブルな金額で依頼できるのが利点です。「ランサーズ」や「ココナラ」などのクラウドソーシングサービスで探すことができます。
デメリット:人によって実力差が大きい
フリーランス人材はスキルに幅があります。実績があって独立したベテランからスクールなどを卒業したばかりのビギナーまで、スキルの見極めが難しいのが実情です。
伝手や人脈をたどり、評判のいい人を紹介してもらうのが最も安全な選び方です。また、ホームページにアップする原稿は、クライアントが提供することがほとんどなので、自分で原稿を書く必要があります。
WEB制作会社に依頼するときのメリット・デメリット
費用はかかるものの、専門知識のあるプロにお任せできるのが、制作会社に依頼する方法です。制作会社に依頼した場合のメリット、デメリットをお伝えします。
メリット:WEB集客のプロにお任せできる
WEB制作会社に依頼するメリットは、専門知識を持つWEB集客のプロにお願いできる点です。ホームページ制作の知見や実績がある専門家にお任せできれば、時間も手間も削減できます。会社によっては、掲載するコピーや文章も作成してくれます。
また、集客に欠かせないSEOなどの施策はもちろん、その後のメンテナンスや運用も依頼可能です。長期的にホームページを育てていこうとお考えなら、開設当初から制作会社に依頼することをおすすめします。
デメリット:コストがかかる
WEB制作会社に集客効果の高いホームページづくりを依頼する場合、必然的にコストがかかります。さらに、制作会社によって得手不得手がある点にも注意が必要です。WEB集客を目的とするなら、施策ができるマーケティング系の会社が適しています。
ブランディングが得意なデザイン系の会社は、集客を得意としていないケースも考えられます。自社の業種や同規模の会社を手がけた実績の有無や具体的な施策 の内容についても、あらかじめチェックしておくといいでしょう。
【要注意】ホームページのリース契約
WEB制作会社といっても、リース契約をすすめてくる会社には注意が必要です。初期費用を抑えられるメリットを提示し、ホームページのリース契約をすすめてくる会社がありますが、ホームページのような無形の商品は本来、リース契約には適さないものです。一見、お得に見えても、デメリットが多くあります。
リース契約することで生じるデメリットは次の通りです。
①リース期間途中での解約ができない
②月額費用は安くてもトータルでは高額になる傾向にある
③契約終了後、作成したホームページを自社名義にできない
さらにリース契約に注力する会社は、営業を主体としている傾向があります。制作そのものは下請けに出すなど、ホームページ自体の品質も保たれていない可能性があります。
集客できるホームページをつくるポイント
ホームページを集客に役立てるためには、どのようなポイントに着目すべきでしょうか。集客できるホームページに必要な要素に加え、具体的な作成方法についてご紹介します。
WEB集客で重要なのは、ホームページの「運用」
ホームページはただ作成すればいいというわけではありません。集客できるホームページにするためには、自社のターゲットを明確にした上で見込み客が求めている情報は何かを精査し、ページを増やしてそれぞれのページから集客することが重要です。
集客への体制を整えるためには、起業時からページを更新しやすいつくりにしたり、ホームページを改善したりできるような意識を持って運用すること大切です
「積立投資」の感覚で、コツコツ更新がおすすめ
ホームページのメリットは、SEO対策をしたコンテンツがたまっていくところにあります。ユーザーにとって有益な情報やノウハウを更新していけば、検索エンジンの評価が上がり、集客効果につながります。
特にSEOを意識したホームページ作りは、スタートが早ければ早いほど多くのメリットが期待できます。積立投資のつもりで、コツコツと更新し、改善を図るなど継続的な対策を心がけましょう。
自分で運用するときにおすすめの3つのページ
プロであるWEB集客のコンサル会社なら、迅速かつ確実にホームページの運用を行ってくれますが、起業初期は自分で運用するケースも出てくるでしょう。自社で運用する場合、次の3つのページに注力することがおすすめです。
①プロフィールページ
起業間もなくは、自社の商品・サービスの認知度が低い状態です。だからこそ、プロフィールページを充実させ、自身を「商品」と見立てて売り込みましょう。
消費者は、商品やサービスのスペックと同様に「誰から買うか」を重視します。プロフィールページを充実させることで、「この人から買いたい」と興味を持ってもらい、信頼も得やすくなる効果が期待できます。多くのユーザーから共感を得るためには、趣味や好きなこと、性格、モットーなど自己開示をすることもおすすめです。
②実績紹介ページ
起業後は、実績を得られるたびに実績紹介の記事を公開していきましょう。商品・サービスに関心を持ってくれた見込み客は、次に「自分にどんなメリットがあるか」を確認したいものです。
実績紹介ページが多ければ多いほど、商品の価値に説得力が生まれ、安心を与えることになります。他社との差別化にもつながります。
③お客様の声
「お客様の声」は、商品やサービスへの評価をダイレクトに示します。実績が増えてきたら、お客様にインタビューをした内容をテキストや動画で掲載しましょう。
事例に基づく第三者の声は、見込み顧客にとって価値のあるものです。真実性が高まり、信頼にもつながります。
これまで紹介した3つのページは、SEO対策をする余裕がない場合でも取り組める内容です自ら運用するページとして設計しておくことをおすすめします。
【事例紹介】ホームページの運用で毎月10件新規の問い合わせ
集客できるホームページの運用の成功例として、弊社「CMSpro」でホームページ作成と運用をご依頼いただいた事例を紹介します。
「社会保険労務士伊藤事務所」様は、小企業様向けの就業規則作成サービスをメインに事業展開されています。開業にあたってホームページを作成したところ、問い合わせにつながったのは年間1~2件のみ。ちょうど1年経過した段階で「CMSpro」にホームページづくりのご相談を受けました。
そこであらためてホームページを作成し、並行してリスティング広告やSEO対策もスタートさせました。再度作成した後には、毎月10件新規の問い合わせがくるようになったとのご報告を受けました。
毎月コンスタントに2~3件受注が可能となり、忙しい時期は7~8件の受注を取った月もあったそうです。喜びの声と共に、「今後も目標達成に向けて運用を任せていきたい」というコメントもいただいています。
より詳しい効果や実績はこちらをご覧ください。
この記事のまとめ
知名度の低い起業時こそ、集客できるホームページの作成が必要です。ホームページは、会社の信用を高める効果に加え、見込み顧客へ自社や商品・サービスをアピールする武器になるからです。
ただホームページを作成するのではなく、ユーザーに検索してもらうためにはSEOなどの施策も大切になってきます。ホームページ作成は自作も可能ですが、効率的な運用を行うためにもWEB集客のプロに依頼することをおすすめします。
監修者谷口 翔太リンヤ株式会社 代表取締役
2007年「リンヤ株式会社」を創業。WEBマーケティング歴16年。草創期より一貫してWEBマーケティング の専門家として、多くの企業の収益向上に貢献。これまでに手がけた企業は2902社。豊富な経験を活かし、SEO対策を中心とした効果的なWEB施策により集客最大化を図る。HP制作から運用まで顧客企業をトータルでサポートしている。