WEB集客のうちWEB広告も欠かせない施策の一つです。この記事ではWEB集客の全体像を踏まえた上で、WEB広告の種類やメリット・デメリット、運用のコツについてプロが解説します。
今回は基礎の基礎からわかりやすく説明しているため、非常にボリューム盛りだくさんです。WEB広告の基礎から知りたい方は「WEB広告の種類は大きく3つの分類で把握する」から、具体的に運用型のWEB広告の詳細を知りたい方は、「運用型のWEB広告4つの特徴とメリット・デメリット」から読み進めていただいても問題ありません。
目次
WEB集客とは?まずは全体像を把握する
WEB集客とはインターネットを使った集客全般のことを指します。非常に幅広い手法があり、WEB広告もそのうちの一つです。まずは全体像を把握し、その中から自社に合うものを選ぶことが大切です。
WEB集客は、3つのメディアを軸に考える
WEB集客は自社メディアを使って行う「オウンドメディア」、広告を出稿する「ペイドメディア」、他社メディアを活用する「アーンドメディア」の大きく3つの軸に分類されます。どれか1つに絞るのではなく、相乗効果を狙って複数の軸を活用することが多いです。また、オウンドメディアやペイドメディアは自分でコントロールしやすいため、まずはこれらから着手し、余裕が出てきたらアーンドメディアにも着手していきましょう。
画像出典:Yahoo!JAPAN広告
WEB集客の主な10の方法
アーンドメディア
オウンドメディア
①SEO対策
自社サイトが検索エンジンの上位に表示されるようにするための施策です。キーワードを含んだコンテンツを追加する、サイトの利便性や見やすさを改善するといった施策を行います。
②MEO対策
Googleマップでの検索上位を目指す施策です。Googleマップ上に会社や施設、店舗、店内や商材の写真や紹介文を表示させることで存在が多くの人に認知され、口コミが増えれば信頼感も高まります。
③SNS運用
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを利用して情報発信を行います。商品・サービスの魅力、会社や店舗の雰囲気、スタッフの人柄が伝わり、ファンを獲得できる効果が得られます。
④YouTube運用
動画共有サイトであるYouTubeに動画を投稿して情報を発信します。動画は情報量が多いため、会社や店舗の雰囲気や人柄などが伝わりやすく、SNS同様にファンを獲得できる可能性が高いです。
ペイドメディア
⑤リスティング広告
検索結果画面上にテキスト広告を表示させます。キーワードを設定することで、そのキーワードを検索したユーザーに対して広告を表示させることが可能です。
⑥ディスプレイ広告
ニュースサイトやブログなどのさまざまなWEBサイトに設けられた広告枠に自社の広告を表示させます。画像で訴求することができ、ターゲティングも豊富であるため、幅広いユーザーに効率的にアプローチ可能です。
⑦SNS広告
TwitterやFacebook、InstagramといったSNSのプラットフォーム上に表示される広告です。投稿に溶け込む形で表示されるため、他のWEB広告よりも受け入れられやすいといった特徴があります。
アーンドメディア(有料)
⑧アフィリエイト
第三者が運営しているWEBサイトで商材を紹介してもらう手法です。成功連動型広告とも呼ばれます。広告を掲載して見込み客を自社サイトに誘導してもらい、コンバージョン(購入や問い合せなど)に至ったら報酬を払うという仕組みです。
⑨インフルエンサーマーケティング
芸能人やスポーツ選手、SNSのインフルエンサーに自社の商材を宣伝してもらう手法です。認知度や信頼性が大幅に上がり、特にインフルエンサーのファンからの購買が期待できます。
⑩プレスリリース
プレスリリースサイトで新商品やサービスの情報を公開します。テレビや新聞、雑誌などのメディア関係者がニュースとしてメディアで取り上げてくれる可能性があります。
WEB集客の施策について、こちらで詳しく解説しています。
WEB広告とSEO、SNSのメリット・デメリットを比較
WEB集客をはじめる際にまず取り組むものとしてWEB広告の一種である「リスティング広告」、自社サイトにアクセスを集める「SEO対策」、幅広いユーザーにリーチできる「SNS」が候補に上がります。ここからは、それぞれのメリット・デメリットについて考えていきましょう。
リスティング広告のメリット・デメリット
キーワードを指定することで検索結果画面上にテキスト広告を表示させられるリスティング広告は、比較的早期に結果が得られやすく、さらにはデータ分析と改善によって、より成果が高めやすいのがメリットです。また、数百円~数千円という少額からはじめられて細かくターゲティングができるため、費用対効果も高いです。
一方で上位表示を継続させるためには費用をかけて広告を出稿し続けなければならないことと、設定や運用に専門的な知識やスキルが必要となるのがデメリットといえます。
SEO対策のメリット・デメリット
SEO対策とはWEBサイトのコンテンツを増やしたり利便性を高めたりして検索エンジンでの上位表示を目指す施策です。実行してから結果に反映されるまでに数ヶ月~数年かかることもあり、なかなか成果が現れないというデメリットがあります。また、分析を行って施策を決める専門知識と質が高いコンテンツを作成できるだけの企画力、施策の実行やコンテンツ制作をするための社内リソースが必要です。
一方で、ひとたび検索エンジンからの評価が上がると安定的にアクセスを得られることと、広告と比較して費用がかからないことがメリットといえます。
SNS運用のメリット・デメリット
SNSのメリットは無料ではじめられること、新規顧客獲得のためのリーチが拡げられることです。SNSはフォロワーがいいね!やリツイートなどをしてくれることで情報の拡散が起こりやすく、双方向のコミュニケーションもとりやすいため、中長期的なファン獲得にも向いています。
ただし、ファンを獲得するためにはやはり定期的に投稿し続ける必要があり、成果が得られるまでには時間がかかります。また、不適切な投稿を行うことで批判が殺到してしまう、いわゆる炎上のリスクがつきまとうことにも注意が必要です。
WEB集客の全体戦略を考えよう
以上でご紹介した代表的なWEB集客の手法のメリット・デメリットをわかりやすく比較表にしました。WEB集客は複数の手法をかけあわせていくことで成果が出やすくなるので、集客の目的を設定し、「何を軸にしてどうかけあわせていくか?」という全体戦略を描いてから取り組みましょう。
とはいえ、SEOやSNS運用はどうしても結果が出るまでに時間がかかってしまいます。すぐに成果を得たいということであれば、まずはWEB広告からはじめられるのがおすすめです。
リスティング広告 | SEO対策 | SNS運用 | |
---|---|---|---|
成果が出るスピード | ◎ | △ | △ |
コストの安さ | △ | 〇 | ◎ |
運用の手間の少なさ | 〇 | △ | △ |
難易度 | 〇 | △ | △ |
WEB集客の手法のメリット・デメリットについて、こちらで詳しく解説しています。
WEB広告の種類は大きく3つの分類で把握する
前述のとおり、WEB広告とはインターネット上のメディアに表示される広告で、掲載する媒体や手法、表現方法などによってさまざまな種類に分けることができます。
仕組みで分類するのであれば、大きく「運用型広告」「純広告」「成果報酬型広告」の3つがあります。WEB広告の全体像を理解していただくために、まずはこれらの特徴についてご紹介します。ぜひ、自社に必要な広告はなにか?を考えるためのヒントにしてください。
WEB広告の主な種類(媒体別に3分類で表示)
媒体 | 運用型広告 | 純広告 | 成果報酬型広告 |
---|---|---|---|
検索結果表示ページ | リスティング広告 | – | – |
WEBサイトの広告枠 | ディスプレイ広告 動画広告 |
純広告 | アフィリエイト広告 リワード広告 |
SNS | SNS広告 動画広告 |
– | アフィリエイト広告 リワード広告 |
動画配信サービス | 動画広告 | – | – |
アプリ | ディスプレイ広告 | – | リワード広告 |
メールマガジン | – | メール広告 | – |
運用型広告とは
運用型広告は現在WEB広告の主流となっている広告で、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告という種類があります。詳しくは後ほどご紹介します。
これらは広告の掲載先や期間、広告の内容、ターゲットの設定、予算などを柔軟に変更して運用できるため、「運用型広告」と呼ばれています。
この運用型広告はオークション制であることも大きな特徴です。入札単価や広告の質によって決定される「オークションランク」に応じて、掲載の有無や掲載場所(順位)が決まります。費用は課金方式によって変わり、広告がクリックされるごとに費用が発生するクリック課金、広告の表示回数によって広告費が決まるインプレッション課金などがあります。
広告の改善やキーワードの設定などの運用によってオークションランクやクリック単価ひいては費用対効果が改善可能です。
純広告とは
純広告とは広告媒体や広告枠、配信期間、広告費などが事前に決まっている状態で契約する広告のことです。TVCMや新聞の折込広告などマスメディアの広告に近い形式です。
WEBサイトの広告枠に表示されるものと、メールマガジンの広告枠に表示されるもの(メール広告)があります。料金形態は掲載期間や表示回数を保証する形式と、表示回数、クリック数、配信数などに応じて決まる形式があります。
大手メディアに表示されることが多いので、認知の拡大やブランディングに向き、商品をよく知らない潜在層に対してもアプローチしやすいです。入札型の運用型広告は設定を間違えると広告が表示されないこともありますが、純広告では掲載期間や表示回数が保証されているのもメリットといえます。一方で広告費が調整しにくく、費用が高額になりがちなのがデメリットです。
メールマガジンに掲載するメール広告は、ターゲット層が近いユーザーが購読しているメルマガを選ぶことで、確度の高いユーザーを狙って配信が可能です。
配信リストを用意する必要がないのがメリットですが、近年ではメールを利用する人が減ってきたためコンバージョン率が下がってきているというデメリットもあります。
成果報酬型広告とは
購入や資料請求など、特定の成果(コンバージョン)に対して報酬が発生する広告です。アフィリエイト広告やリワード広告があります。
アフィリエイト広告とは比較サイトやポイントサイト、個人ブログなどの運営者(アフィリエイター)に広告を掲載してもらい、コンバージョンが発生した際に報酬を支払う仕組みです。通常はASPと呼ばれるアフィリエイトサービスプロバイダーと契約し、ASP経由でアフィリエイターに広告出稿を依頼します。
コンバージョンが発生してはじめて報酬を支払えばいいので、費用対効果が高いのがメリットです。一方で成果が得られるまで時間がかかるケースがあること、商品や報酬が魅力的でない場合は扱ってもらえない可能性があること、ASPとの契約が必要なため手数料などの費用がかかるのがデメリットといえます。
リワード広告はアプリのインストールや動画視聴といった特定のアクションに対してユーザーに特典を与え、同時に媒体主側にも成果報酬が発生するという仕組みの広告です。主にスマートフォンユーザーをターゲットとしています。
広告主が定めたアクションに応じて成果が発生するため費用対効果を測りやすいことと、短期間で認知度がアップできるというメリットがあります。一方でユーザーのサービス利用の継続率が低いことと、マイナスブランディングになりかねない点がデメリットです。アップル社は「App Storeのランキングをゆがめる」と、この広告を批判しています。
WEB広告の8割超は運用型広告
『2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析』によると、WEB広告全体の広告費のうち運用型広告によるものは82.9%を占めているそうです。運用型広告の市場は前年比109.7%で伸長しており、その中でも動画広告は121.3%成長で、インターネット広告費全体の22%を占めています。SNS広告も前年比116.1%、全体の32.4%を占めています。
一方、純広告と成果報酬型広告は減少傾向にあり、WEB広告=運用型広告といっても過言ではない状況です。
運用型のWEB広告4つの特徴とメリット・デメリット
運用型のWEB広告は数百円~数千円と少額ではじめられ、運用で費用対効果を改善していけるため、これからWEB集客をはじめられる企業にもおすすめです。ここからは「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」「動画広告」という主要な運用型広告の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
リスティング広告
GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面上に表示されるテキスト広告です。ユーザーが検索するキーワードに応じて表示されるので、「検索連動型広告」とも呼ばれます。たとえば「WEB集客代行 東京」というキーワードで広告が出稿されるよう設定すれば、このキーワードを検索したときに広告が表示され、東京でWEB集客代行業者を探している顕在ニーズをもったユーザーにアプローチすることが可能です。
こうした顕在層は商品やサービスに一定の興味や関心を持っているので、サイトに誘導できれば成果につながりやすいです。また、最低出稿金額が決まっていないため、予算に応じて広告主が広告費を調整することもできます。
一方でキーワードによっては広告費が高額になってしまうことと、潜在層や無関心層にはリーチしにくいのがデメリットです。
ターゲット | 顕在層(今すぐ客) |
---|---|
主な媒体 | Google広告、Yahoo!広告 |
課金方式 | クリック課金 |
相場 | 1クリックあたり数百円~1,000円(目安) |
メリット | ・顕在層へアプローチしやすい ・効果を得られるまでの期間が比較的短い ・少額から開始できる |
デメリット | ・キーワードによっては単価が高額で、戦略が必要 ・潜在層・無関心層にはリーチできない |
ディスプレイ広告
WEBサイトやアプリの広告枠に表示される広告です。画像とテキスト、動画とテキストを組み合わせたバナーで表示されることが多いため、「バナー広告」とも呼ばれています。また、ディスプレイ広告の配信を支援する仕組みには、アドネットワークとDSPというものがあります。
写真や動画によって視覚的に商品やサービスのイメージを伝えられるという点と、広告の内容に関連があるWEBサイトに表示されるため、顕在層はもちろん自社の商品・サービスの存在を知らない、検索をするほど購入意欲が高まっていない潜在層にアプローチできるのがメリットです。
ただし、ニーズが強い人ばかりが集まるわけではないので離脱しやすいことと、広告を掲載するサイトを選べないというデメリットもあります。
ターゲット | 潜在層(まだまだ客)~顕在層(今すぐ客) |
---|---|
主な媒体 | Google広告、Yahoo!広告 |
課金方式 | ・クリック課金 ・インプレッション課金 |
相場 | ・1クリックあたり数十円~数百円 ・1,000回表示あたり数百円(いずれも目安) |
メリット | ・表現の幅が広く、訴求できる内容が豊富 ・潜在層への幅広いアプローチが可能 ・認知から獲得まで幅広い効果が見込める |
デメリット | ・検索意欲が高い人が対象ではないため離脱しやすい ・広告を掲載するサイトを選べない |
SNS広告
Twitter、Facebook、Instagram、TikTokなどのSNSプラットフォーム上に表示させる広告です。タイムライン上の投稿に溶け込むように表示されるので受け入れられやすいことと、ユーザーの個人データや行動履歴をもとに細かくターゲティングできるのが大きな強みといえます。また、SNSは購入を検討するといった下調べのツールとしても活用されているので、新規顧客にリーチしやすいといったメリットがあります。潜在層へのアプローチ、認知拡大、ブランディングなどを目的として活用されることが多いです。
一方でターゲティングやクリエイティブを変更するなど、細かい運用をしていかないとなかなか成果が現れにくいのがデメリットといえます。
ターゲット | 無関心層(未来の顧客)~顧客層(既存のお客様) |
---|---|
主な媒体 | Twitter広告、Facebook広告、Instagram広告、TiKTok広告、LINE広告 |
課金方式 | ・クリック課金 ・インプレッション課金 ・エンゲージメント課金 |
相場 | ・1クリックあたり数十円~数百円 ・1,000回表示あたり数百円 ※媒体、手法により異なる |
メリット | ・ターゲティングの精度が高い ・違和感を感じさせずユーザーに受け入れられやすい ・SNSの持つ高い拡散性を期待できる ・少額から開始できる |
デメリット | ・適切なSNSを選定しなければ効果は得られない ・魅力的な広告クリエイティブを制作する必要がある ・運用型なので、効果を上げるためには改善が必要 |
動画広告
動画広告は動画を用いた広告全般を指します。特に有名なのは目的の動画が再生される前に広告動画を表示させる「YouTube 広告」です。こうした配信サイト以外にもSNS広告やディスプレイ広告の枠に動画広告を表示させることもできます。
動画なら短い時間でも多くの情報を伝えられ、かつクリックしなくても広告動画が再生されるため、無関心層や潜在層の認知拡大に向いています。今やリスティング広告、ディスプレイ広告以上に市場規模が伸びている広告となっています。
一方で動画の制作には撮影や編集のスキルが必要なため難易度が高く、機材も調達しなければならないため制作コストが高額になってしまう点がデメリットといえます。
ターゲット | 無関心層(未来の顧客)~潜在層(まだまだ客) |
---|---|
主な媒体 | YouTube広告、Facebook広告、Instagram広告、Twitter広告、TiKTok広告、GDN、YDA(アドネットワーク) |
課金方式 | ・期間固定 ・視聴課金 ・インプレッション課金など |
相場 | ・1再生あたり数十円~数百円(目安) ・SNSでの動画広告は、1再生5~20円程度が相場 |
メリット | ・短時間で多くの情報を届けられる ・動画は目を引くため潜在層へのアプローチに有効 |
デメリット | ・制作に費用と時間がかかる ・スキップして最後まで視聴されない場合もある |
押さえておきたい2つのWEB広告の手法
WEB広告は上記以外に手法によって分類されることもあります。とりわけ「リターゲティング広告」「ネイティブ広告」は集客の目的によっては非常に有効な手段となりえますので、ぜひ特徴を抑えておきましょう。
リターゲティング広告
一度サイトを訪れた人に対して広告を配信して再度訪問を促す手法です。Google広告では「リマーケティング」と呼ばれています。WEBサイトにタグを埋め込み、Cookieで取得した情報を活用して広告を表示させるという仕組みとなっています。
ディスプレイ広告や動画広告、テキストなど、さまざまな広告媒体で使用可能です。SNS広告でもリターゲティング配信ができます。
ユーザーは過去に何らかの興味・関心をもってサイトを訪問したわけなので、コンバージョン率は高くなります。ただし、何度も広告が表示されると「監視されている」「しつこい」というマイナス印象を与えてしまうこと、そして個人情報保護の観点から以前よりも配信するのが難しくなっていることがデメリットです。
ターゲット | 顕在層(今すぐ客) |
---|---|
メリット | ・興味関心のある人を追いかけてアプローチできる ・購買や申し込みにつながりやすい |
デメリット | ・行動を追跡するため監視されている印象を与えるケースも ・個人情報保護の観点から、行うのが難しくなっている |
ネイティブ広告
ネイティブ広告とは広告の見せ方の手法の一つです。WEBメディアの通常のコンテンツに自然に溶け込むように表示される広告のことを指します。
たとえばニュース記事と同じようなレイアウトで表示されるインフィード広告、タイアップ記事広告、SNS広告などがあります。ほかにも広告出稿先媒体のレコメンド枠(おすすめ記事が表示される枠)に広告が表示されるレコメンド広告、そして検索結果画面上に表示されるリスティング広告もネイティブ広告の一種といえます。逆にネイティブ広告でないのは純広告、ディスプレイ広告です。
前述のとおりメディアに溶け込む形で表示されるので売り込み感が少なく、メディアの閲覧体験を損なわずにクリックを誘導できるというメリットがあります。
一方で記事や投稿に溶け込むようにデザインやテキストの工夫をしなければならないことと、効果が現れるまでにある程度時間がかかることがデメリットです。
ターゲット | 無関心層(未来の顧客)~潜在層(まだまだ客) |
---|---|
メリット | ・広告の売り込み感がなく、興味を持ってもらいやすい ・ストレスを与えず、自然にクリックしてもらいやすい |
デメリット | ・効果を得られるまである程度時間がかかる ・記事や投稿に溶け込むようなデザインが必要となる ・クリック後、広告とわかり嫌悪感をもたれるリスクもある |
成果を上げるためのWEB広告運用の4つのステップ
WEB広告で成果を出すためには、常に効果検証を繰り返して改善し続ける必要があります。特に運用型広告は配信期間や掲載する媒体、ターゲティング、広告原稿の修正などを修正していくことで、成果が徐々に上がっていくはずです。
以下ではWEB広告の運用で大切なポイントを4つのステップでご紹介します。
明確にする
選択する
作成する
回す
STEP1:WEB広告の目的とターゲットを明確にする
WEB広告は出稿する目的によって適した広告媒体や手法が変わってきます。まずは認知の拡大や新規の会員登録の獲得、問い合わせ件数の増加など、具体的な目的を設定しましょう。
また、ターゲットに関しても「顕在客(今すぐ客)」を狙う場合と「潜在客(まだまだ客)」を狙う場合とでは、向いている広告媒体や手法が違ってきます。たとえば顕在客に対してはリスティング広告が、潜在客に対してはディスプレイ広告やSNS広告が向いています。
「誰を集客したいのか=ターゲット」、「ターゲットにどんな行動をして欲しいのか=コンバージョン」の2つを明確にしておきましょう。
STEP2:目的とターゲットから出稿する媒体を選ぶ
目的とターゲットが明確になったら、それらに合わせた広告媒体や手法を選びます。ただし、B to BやB to Cといった業態の違いやターゲットの属性によっても、利用している媒体は大きく異なります。
BtoBの場合、見込み客はネット検索で商品やサービスを探している傾向が強いです。一方、BtoCの場合はネット検索に加えてInstagramやYouTubeで探しているケースもあります。また、若年女性ならInstagram、中高年ならFacebookなど、ターゲットの年代層や性別によっても使っているSNS媒体は異なります。
自社の商品・サービスの顧客層が使っている媒体を把握して出稿先も選びましょう。
広告の種類・手法 | 顕在客(いますぐ客) | 潜在客(まだまだ客) |
---|---|---|
リスティング広告 | ◎ | △ |
ディスプレイ広告 | 〇 | ◎ |
SNS広告 | 〇 | ◎ |
動画広告 | 〇 | ◎ |
リターゲティング広告 | ◎ | △ |
ネイティブ広告 | 〇 | ◎ |
SNS | ユーザー層 |
---|---|
20~40代の利用が多い。20代の利用率が78.6%。男性がやや多い | |
30~40代のビジネス層が利用。全世代利用率は32%強。男性がやや多い | |
全世代の利用率が48.5%。20代が最も多く78.6%。女性が54.8% | |
YouTube | 男女の差が少なく全世代の利用率が88%弱。10~30代の利用率は95%超 |
LINE | 全世代の利用率が92%超。20~40代の利用率が高い。やや女性が多い |
STEP3:魅力的な広告原稿・クリエイティブを作成する
クリエイティブとはWEB広告の画像や動画などの素材を指します。重要なのはターゲットに魅力的だと思ってもらえるようなコピーやクリエイティブを作成することです。
まず重要なのは「ターゲットユーザーに何を伝えれば興味を持ってもらえるか?」を考えることです。そのためにもターゲットが抱えている悩みや課題、どのような解決策を求めているのか?をリサーチして仮説を立て、「これなら解決できそう」と見て感じてもらえるような、おもわずクリックしたくなるようなクリエイティブを作成しましょう。
また、WEB広告は複数の広告を出稿することが可能です。コピーやクリエイティブを何パターンか作成してテストを行い、修正していくことで、より成果が上がりやすくなります。
STEP4:効果測定を行い、PDCAサイクルを回す
WEB広告のメリットは効果測定のためのデータが取りやすく、それにもとづいて改善ができることです。達成したいゴール(KGI)やその過程の指標(KPI)を数値で設定し、定期的に進捗状況を分析して改善していくPDCAサイクルを回しましょう。
WEB広告運用では、主にCTR(Click Through Rate=クリック率)、CPC(Click Per Cost=クリック単価)、CVR(Conversion Rate=コンバージョン率)などの指標をもとに分析や改善を進めていきます。
まとめ
今回はこれからWEB広告の運用をはじめられる方のために、WEB集客の全体像と主な10の手法、そしてWEB広告の種類とメリット・デメリットについてお伝えしました。
特にWEB広告はさまざまな媒体を選べて幅広い層にアプローチができる、非常に自由度が高い集客方法です。故に広告運用の目的とターゲットを明確にし、それらに合った媒体・手法を選ぶことが非常に重要となってきます。
データが収集できて改善がしやすいという運用型広告のメリットを存分に活かし、ターゲティングやクリエイティブなどの改善を積み重ねることで、成果を上げていきましょう。
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監修者谷口 翔太リンヤ株式会社 代表取締役
2007年「リンヤ株式会社」を創業。WEBマーケティング歴16年。草創期より一貫してWEBマーケティング の専門家として、多くの企業の収益向上に貢献。これまでに手がけた企業は2902社。豊富な経験を活かし、SEO対策を中心とした効果的なWEB施策により集客最大化を図る。HP制作から運用まで顧客企業をトータルでサポートしている。