飲食店や小売業などの店舗は集客ができていないと利益が得られず廃業につながります。これは士業も同じです。たしかに税理士や会計士、司法書士、行政書士、社会保険労務士といった国家資格は難易度が高いのですが、競合が少なくないため、集客を継続的に行っていくことが大切です。
特にインターネットが普及して誰もがスマホやパソコンで情報を検索する近年ではWebを使った集客は必須です。とはいえ、その方法は無数にあり、ご自身に合ったものを選ばなければ、なかなか成果は現れません。この記事ではWeb集客のプロが士業の方のための集客の方法やポイントについて解説します。
目次
1.士業の集客における3つのキーポイントとは?
士業の方が集客するにあたって意識していただきたいのは「独自性・専門性」「地域性」「誠実さ」の3点です。せっかく集客をしてもこれらの事柄が伝わらないと、なかなか見込み客の獲得にはつながりません。逆にどれか一点でもあてはまれば、より多くの方が相談に来てくれる可能性が高まります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
①”独自性・専門性”でサービスを差別化
士業事務所は「どこに頼んでも同じ」「違いがよくわからない」と思われがちです。しかし、たとえば税理士であれば税務調査に強い、節税対策に強い、相続税に特化している、経営コンサルティングにも対応しているなど、それぞれ得手不得手があります。
一方で、見込み客もそれぞれ悩みや課題を持っているはずです。税務調査に強い税理士であることを打ち出せば、税務署から連絡を受けて困っている人が相談に来てくれるかもしれません。相続税に特化していることをアピールすれば、親族が亡くなって相続手続きに悩まれている人が来てくれる可能性が高くなります。
まずはご自身の独自性(他の事務所との違い)や専門性をもう一度見つめ直してみましょう。
②”地域性”を活かし地元顧客を集客
オンライン化が進む中でZoomやSkypeなどのツールを駆使して遠方の見込み客を受注できるチャンスも拡がりました。しかし、まだまだ「地元の人のほうが安心」「なにかあったときに直接相談したい」と思われている人も少なくありません。特に士業はトラブルに対応したり、煩雑な手続きを行ったり、込み入った相談をしたりといった機会も多いため、オンライン化が進んでも「なるべくなら近くの人がいい」と思う顧客も多いものです。
そこで、集客をする際には地元住民に来てもらえるよう意識することも大切です。住所やアクセス情報をしっかり明記して来所しやすさをアピールしましょう。
③”誠実さ”で信頼を獲得
見込み客は士業事務所を探すとき、まずは「サービス内容(=独自性・専門性)」「場所(=地域性)」で絞り込みますが、最終的には実際に話してみた印象や直感で決めるケースも少なくありません。お客さまの悩みを聞き、法律行為や手続きを行う士業に何よりも大切なのは「誠実さ」です。
もちろん、専門知識やスキル、経験も大切ですが、それと同じくらい「話しやすい」「親身に対応してくれる」「安心して任せられる」といったフィーリングの部分も重要といえます。集客をする際には誠実さが伝わり信頼が得られるよう工夫してみましょう。
2.【優先度★★★】士業に必須のWEB集客方法4選
ここからは士業の方に必須のWeb集客として「ホームページの制作」「ポータルサイトへの登録」「SNSの利用」「ホームページのSEO対策」という4つの手法をご紹介します。これらは最低限行っていただきたいものです。Web集客をはじめるなら、あるいはこれから士業事務所を開業されるなら、まずはこれらの手法を取り入れてみましょう。
(1)独自性をアピール!集客に特化したホームページの制作
今や企業がホームページを作るのは当たり前のことになりつつあります。前述のとおりネットで情報を検索する人が大半であるため、ホームページがないと見込み客にとっては企業が存在していないのも同然です。もちろん士業においても例外ではありません。まずはホームページを作成しましょう。この記事でご紹介するWeb集客もホームページがなければはじまりません。
士業の場合は特にご自身の得意分野や解決できる悩み、事務所の強み=独自性・専門性をホームページに内容として盛り込むことが大切です。それに加えて地域性や先生の誠実さが伝わる内容コンテンツも作成すれば集客につながりやすくなります。
士業におけるホームページ制作のポイントとは?
まずはターゲットをしっかりと設定しましょう。特に開業直後や集客ができていない状況だと「誰でもいいから来てほしい」と思いがちですが、万人受けするものは結局誰にも響きません。抱えている悩みや課題、年齢、性別、職業、生活圏など、細かいところまで考え、ターゲットの具体的な人物像を想定しましょう。その上でご自身の専門性や強み、あるいは事務所の立ち位置を考え、それをコンテンツで発信していくことで、見込み客が集まりやすくなります。
また、ターゲットが複数に渡る場合はサービスごとにページを分けるのも手です。たとえば税務申告は企業経営者や経理担当者、個人事業主がターゲットとなり得ます。相続に関しては生前贈与の場合は高齢の方、相続税申告であれば亡くなられた方のご親族がターゲットになります。このようにターゲットが異なる複数のサービスを一つのホームページにすべてまとめてしまうと見込み客に響きにくくなってしまいます。
ホームページ制作についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
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(2)知名度やHPへの流入UP!ポータルサイトへの登録
ポータルサイトとは店舗や企業の情報をまとめて掲載しているサイトのことを指します。たとえば飲食店なら「食べログ」や「ぐるなび」、不動産や住宅なら「SUMO」が有名です。士業であれば「士業ねっと!全国版」「士業らくらく検索ネット」「MAHOROBA」などが挙げられます。
こうしたポータルサイトは非常に利用者が多く、検索上位に表示されやすいため、知名度やホームページのアクセスアップ、相談増加につながります。掲載料や手数料などの費用がかかるのがデメリットではありますが、高い集客効果が得られればペイすることも十分に可能です。やはりこちらに関しても独自性・専門性や地域性、先生の人柄が伝わるような情報を掲載しましょう。
(3)Facebookが効果的!SNSの利用
FacebookやInstagram、TwitterといったSNSも非常に効果的な集客ツールです。日常的に多くの人が利用していて、無料で使うことができます。特にFacebookと士業の集客は親和性が抜群です。実名での利用が定められているので信頼性が高い、多種多様なテーマのコミュニティがあってユーザー同士の情報交換が活発、ターゲットとなり得る中小企業の経営者や個人事業主が見ている割合が高い、属性に合わせて広告が出せるなど、さまざまなメリットがあります。
また、Twitterも効果的です。拡散力が高く、いわゆる「バズる」状態になれば一気に知れ渡ります。こうしたSNSで時事ネタや豆知識などを投稿することで、信頼性や知名度を向上させることが可能です。
(4)継続的な顧客獲得に必須!ホームページのSEO対策
SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」のことです。多くの人はGoogleやYahoo!などの検索エンジンで情報を検索します。検索結果画面の上位にホームページが表示されれば多くのアクセスを集めることが可能です。逆に言えば検索エンジンに表示されなければ、そのホームページは存在しないに等しいと言えます。
しかしながら一朝一夕で検索結果画面の上位に表示されることはまずありません。長いスパンでSEO対策を行い、はじめて効果が現れます。継続的に施策を行うことで、検索エンジンから安定的なアクセスが集められ集客につながります。
SEO対策はさまざまありますが、いちばん大切なのは定期的に情報を更新・追加していくことです。たとえばブログであれば専門知識がなくてもSEOを強化することができます。
士業におけるSEO対策のためのブログ運用のポイントとは?
ブログはSEO対策として非常に有効ですが、内容は何でもよいというわけでもありません。単に日記を投稿しているだけではなかなか集客につながりにくいです。ご自身の専門分野を活かして見込み客の悩みや不安を解消するコンテンツや役立つノウハウを発信することで、信頼性のアップや専門性のアピールにつながり、SEO対策にもなります。
たとえば税理士なら確定申告の方法や節税のテクニック、司法書士なら会社設立の流れや相続トラブルを解消するノウハウ、行政書士なら補助金や助成金の種類についての解説、社会保険労務士なら職場改善のポイントや保険の話などが挙げられます。特に士業の方が携わる分野は一般の方にとっては非常にわかりにくいです。難解な法律や手続きなどをわかりやすく説明することで、読み手が「この先生に相談してみたい」「この先生なら安心できそう」と思ってくれる可能性が高まります。
SEO対策及びコンテンツマーケティングについてより詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
3.【優先度★★☆】士業でできればやっておきたいWEB集客方法2選
ここまで士業の方がWebで集客する際に必ず行っていただきたい手法を4つご説明しました。まだ実施されていないものがあれば、すぐにはじめてみましょう。
ここからはできればやっておきたいWeb集客を2つ解説します。前章の施策をすべてされている方でさらに集客効果を向上させたい、新規の顧客を獲得したいという方はぜひ実践してみてください。
(5)即効性を求めるなら!リスティング広告の運用
リスティング広告とは検索エンジンの検索結果画面上に表示される広告です。検索エンジンで検索した際に「広告」と表示されている検索結果を見たことがあるかもしれませんが、それがリスティング広告です。
「税理士 港区」「司法書士 不動産登記」「行政書士 助成金申請」というように、キーワードを指定して広告を出稿することが可能です。年齢や性別、地域、時間帯、曜日などを指定して配信することができるので、ターゲットに対して的確にアプローチすることができます。SEO対策を行って検索結果画面の上位表示に表示されるまでには数年単位の時間がかかりますが、リスティング広告ならすぐに上位表示をさせることができるのも大きな魅力です。
ただし広告がクリックされるたびに数円~数百円の広告費がかかることと、運用に専門的な知識やスキルが必要になるのがデメリットです。ただし、前述のとおり即効性があって効率的に集客ができるので、実践する価値は大いにあります。
現在ご覧いただいている当サイト「CMSpro」ではリスティング広告の運用代行サービスを実施しています。競争が激しい現代で勝てる、プロによる運用代行をご希望の方はぜひご検討ください。
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(6)地元顧客の獲得に効果的!Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)【MEO対策】
Googleビジネスプロフィール(旧称:Googleマイビジネス)に登録することで、Googleマップにご自身の事務所の情報を編集することができるようになります。位置や名称はもちろん、説明文や写真の投稿、ホームページのURLや営業時間の掲載、口コミへの返信などが可能です。
たとえば東京都港区に住んでいる人が行政書士に相談したいと考えた場合、Googleで「行政書士」というキーワードを検索し、Googleマップで自宅や職場などから近い事務所を探します。Googleビジネスプロフィールで情報を充実させておくことで来所につながります。
特に地元顧客を獲得したい、地元での知名度を上げたいという先生におすすめです。
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4.【優先度★☆☆】士業で余裕があればやっておきたいWEB集客方法2選
集客効果をさらに高めたい、事業規模を拡大したいということであれば、前章のような手法を取り入れることで、より効率的な集客が可能となります。
ここからは優先度は低いながらも実践することでさらに知名度が向上し、見込み客から信頼性を獲得でき、安定的に集客効果が得られる手法を2つご紹介します。余裕があればぜひ実践してみましょう。
(7)信頼感UPなどメリット多数!YOUTUBEでの動画コンテンツ配信
今や動画サイトはテレビに代わるメディアとなってきています。特にYouTubeはユーザー数が多く、私たちの生活の中にも溶け込んでいるサイトであり、数多くのYouTubeと呼ばれる投稿者が動画を投稿し、さまざまな情報を発信しています。もちろん士業の方にとってもYouTubeは非常に効果的な情報発信ツールです。やはりブログと同様に一般の方にはわかりにくい法律用語や手続きの流れ、ノウハウなどをわかりやすく解説することで、知名度や信頼性のアップにつながります。
実際に税理士YouTuberとして活躍し集客に成功されている士業の方も数多くいらっしゃいます。有名にならなくても、ある程度視聴回数やチャンネル登録者数が増えてくれば集客効果を十分実感することができます。
士業がYOUTUBEで動画配信することで得られるメリットとは?
ブログでも見込み客に対して情報を発信することができますが、どうしても文字や画像だけでは伝えられる情報に限りがあります。動画であれば短時間で数多くの情報を与えることが可能です。
顔や話し方、声のトーンといった話す内容以外の視覚的・聴覚的情報も与えられ、人柄や誠実さが伝わりやすくなります。
やはりホームページだけで文字や顔写真だけで情報を発信するケースと、動画で顔あるいは声を出して情報を伝えるケースとでは信頼感が段違いです。見込み客にとっては問い合わせや相談、来所のハードルが格段に低くなります。
また、YouTubeの動画内や概要欄にホームページのURLを記載することで、視聴者をホームページに誘導することも可能です。
(8)見込み客の増加に効果的!メルマガ配信
メールマガジンとは登録者に対して定期的にメールで情報を届ける手法です。SNSやチャットツールが普及した今でもメルマガは高い集客効果が期待できます。
そもそもメルマガはユーザーが何らかの興味があって、能動的に自分の個人情報であるメールアドレスを登録するため、まったく見ず知らずの人に情報を届けるよりも格段に問い合わせや来所のハードルが低くなります。定期的にメールを送り続けることで、見込み客の記憶にも残りやすくなるというのもメリットです。登録者が何らかの悩みや課題を抱えたときに、「いつもメールを送ってくる事務所に相談してみよう」と思ってくれる可能性が高くなります。
やはりブログやYouTubeと同様にお役立ち情報やノウハウを発信し続けることで信頼性が向上し、無料相談などの告知を行えば問い合わせや来所促進につながります。
5.【番外編】士業におけるオフラインの集客方法2選
ここまでWeb集客の方法についてご説明してきました。今は誰もがインターネットを使う時代であり、Web集客は士業の方にとっても必須です。とはいえ従来のオフライン集客が不要かといえばそうではありません。オンラインとオフラインの両方を採用することで、相乗効果を得ることもできます。
特に士業の方におすすめの集客方法として「異業種交流会や公共の市民(区民)相談会等への参加」と「無料セミナー・講演会の開催」が挙げられます。それぞれ見ていきましょう。
異業種交流会や公共の市民(区民)相談会等への参加
異業種交流会とはその名の通りさまざまな業種で働く人たちが交流する場所です。士業の方はもちろん、会社員や会社経営者、個人事業主など多種多様な人が集まります。こうした交流会に参加し名刺交換をして話をすることで、相談につながる可能性があります。名刺にホームページのURLを記載するかQRコードでスマホからアクセスできるようにすれば、ホームページのアクセスアップにもつながります。
また、士業の方は公共施設などで集客の場が与えられる機会もあります。それが公共の市民(区民)相談会です。税務や起業、相続、助成金・補助金など、さまざまな分野の相談会が自治体や市民(区民)相談センターによって開催されています。そこで無料相談に対応することで、後々の顧客獲得につながるかもしれません。地元での知名度向上にもつながります。ご自身の得意分野に関する相談会が開催されるようでしたら積極的に参加されることをおすすめします。
無料セミナー・講演会の開催
無料セミナーや講演会に講師として参加する、あるいはご自身でセミナーや講演会を開くというのも集客の手法としては効果的です。セミナーや講演会はその分野に興味がある人や何らかの悩みや課題を持っている人が参加するので、優良な見込み客を集めることができます。YouTubeと同様に顔を出して話をすることで、信頼感や安心感の向上につながります。記憶にも残りやすいので、参加者が後々悩みや課題を抱えた際に「セミナーの先生に相談してみよう」「あの講演会の先生安心できそうだから問い合わせてみよう」という気持ちになりやすいです。
最近ではオンラインセミナーやオンライン講演会を開催される士業の方も多くなってきています。場所代や交通費などの費用がかからず、参加もしやすいため、まずはオンラインで開催されるのが良いかもしれません。
まとめ
Web集客とひとくちに言ってもさまざまな手法があります。特に今回ご紹介した手法はインターネットが使えれば誰もが行うことが可能です。ただし、効果的に集客するためにはご自身に合った方法を選択する必要があり、実践するにしてもある程度のノウハウが必要です。そこで、プロにご相談されることをおすすめします。
Web集客のプロであるCMSproでは今回ご紹介した8つのWeb集客すべてに対応可能です。これまでの実績は2,700件以上、対応業種は41業種以上で、士業の方も多数サポートしてきました。集客でお悩みなら、ぜひ私たちにご相談ください。
監修者谷口 翔太リンヤ株式会社 代表取締役
2007年「リンヤ株式会社」を創業。WEBマーケティング歴16年。草創期より一貫してWEBマーケティング の専門家として、多くの企業の収益向上に貢献。これまでに手がけた企業は2902社。豊富な経験を活かし、SEO対策を中心とした効果的なWEB施策により集客最大化を図る。HP制作から運用まで顧客企業をトータルでサポートしている。