税理士が独立開業し、経営を軌道に乗せるためには営業や集客に注力する必要があります。ただ従来からの方法である紹介やコネクションに頼るだけでは新規顧客獲得が難しいでしょう。効率的な顧客獲得の方法として知られるのがWEB集客です。
この記事では、これまでに多くの税理士事務所のホームページ制作・運用を手掛け、その実績から培った、弊社CMSproだからこそ知り得た効率的なWEB集客のノウハウとポイントを解説します。独立開業し、集客にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
の税理士業の集客実績
目次
税理士が集客するためのHP活用方法とは?
ホームページを作っただけでは、残念ながら集客には繋がりません。ホームページを使って効果的に集客する方法として、まずSEO対策があげられます。以下で、そのノウハウを詳しくみていきます。
税理士WEB集客に効果的なSEO対策
まずはホームページを検索し、たどり着いてもらわなければ集客・顧客獲得につながりません。しかしWEBの情報量は膨大でなおかつ同業他社も多いため、差別化を図らなければ埋もれてしまう可能性もあります。税理士を探しているユーザーが求めている事柄、ニーズに照らし合わせたキーワード選定、ブログ記事のテーマを考えることは非常に重要です。
キーワード選定とブログ記事のテーマを決めるポイント
【キーワード&テーマ選定の3つのコツ】
- 1.地域系キーワードを意識する
- 2.ブログ記事のテーマはクライアントや見込み客から実際に受けた相談や質問から考える
- 3.プロが使う「キーワードプランナー」も少し使ってみる
税理士のSEO施策におけるキーワード&テーマ選定は次の3つの点がポイントとなります。
1.地域性キーワードを意識する
税理士をはじめとする士業の依頼先を近隣エリアで探す顧客が多くいるため、集客に直結します。
2.ブログ記事のテーマ
クライアントや見込み客から実際に受けた相談や質問を記事のテーマとすると、ユーザーからも関心を持たれやすくなります。信頼性、安心感という面では第三者の声も大きく役立ちます。検索するユーザーの悩みを解消する事例があれば、より依頼しやすくなるでしょう。
3.Googleキーワードプランナーの活用
キーワードごとの月間検索ボリューム、関連キーワードなどを調査できるSEO対策に役立つツールで、プロも使用しています。
この3つのポイントについてそれぞれ詳しく解説していきます。
【重要】地域系キーワードを意識する【トップページ&ホームページ内に使用】
KWタイプ | 具体的なキーワード例 | 検索意図 |
---|---|---|
地名 | 税理士 横浜 税理士 神奈川 税理士 横浜市 税理士 横浜市鶴見区 |
各地域で税理士を探している |
地名+商材 | 決算代行 神奈川 確定申告 横浜 顧問税理士 横浜市 会社設立 横浜 |
自分の依頼したい業務に対応している、希望地域の税理士を探している。 |
税理士を探している顧客は、近隣地域の住民・企業がほとんどです。連絡が取りやすい、自宅や会社の近くで税理士を探します。
そこで上の表に挙げた例のような「税理士+地域名」や「商材+地域名」のキーワードを用いるのが基本戦略となります。地域名は都道府県から市町村まで、幅広い地域区分を活用します。例えば「杉並区 税理士」「太田市 税理士」「税理士 神奈川」のような使い方です。
なお地域系キーワードは、記事部分ではなく、サイトの入り口にあたるトップページやホームページ内のサービスの詳細ページ部分をメインに設定します。エリア名に加えて、依頼時にユーザーが知りたい内容を含めて検索する場合もあります。費用や強みとする事業内容などが該当します。ニーズに合致した関連記事などの対策次第では、サイト全体の評価を高め上位表示させることにもつながります。
*こちらに、選んだキーワードの狙い方を詳しく解説していますので、参考にしてください。
記事によっては、サイト全体の評価を高めることで、これらのページでトップページなどのホームページ部分のページを上位表示させられるようにする
ブログ記事のテーマとキーワードは実際の質問や相談から考える
ブログ記事のテーマとキーワードの選定はサイトの根幹です。またターゲットとなる顧客を集めるコンテンツづくりの大切なプロセスです。SEO対策業者などSEOのプロの場合、専用のツールを使ってキーワードの需要を解析し、記事のテーマとキーワードを選定します。プロが使う専用ツールに関しては、次の項目で簡単にご紹介します。
一方で、自ら選定する場合は、税理士としての実務経験を活用することをおすすめします。自らの顧客、狙っている顧客が具体的に何に悩んでいるのかについてよくご存じかと思います。
税務に関して、既存顧客から実際に相談を受けた事柄や、ホームページや相談会に寄せられた相談や質問から記事のテーマを決めるのがおすすめです。実務に即したニーズからキーワードや記事テーマを選ぶことは、大きなアドバンテージとなり得ます。例えばキーワード・テーマとして一般的とは言えないニッチな悩みにも気づくことができるはずです。税理士への問合せや契約につながる可能性が高いなら、関連する記事を作成するのもいいでしょう。
【キーワードプランナーなど】プロが使うツールも補助的に使用する
WEB集客やWEB広告の専門家はさまざまなツールを用いてSEO施策を行っています。その中の1つであるキーワードプランナーはGoogleが広告配信向けに提供しており、無料で活用できます。
キーワードプランナーでは、キーワードごとの月間平均検索回数(検索ボリューム) が調べられます。そのキーワードにどの程度のニーズがあるのかが掴めます。さらに各キーワードに関連するキーワード、一緒に検索されている言葉(サジェストキーワード)がわかります。例えば「税理士」と一緒に検索されているワードに「決算申告」があることを理解することができます。
キーワードの需要やサジェストキーワードがわかれば、記事のテーマ選びやこの後お伝えする記事作成時の検索意図を捉えるのにも役立ちます。キーワード選定、テーマ選びに迷ったら、キーワードプランナーを試してみるのも一案でしょう。
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SEOに有効なブログ記事を書くコツ【検索意図が重要】
検索エンジンで上位表示させたり、アクセス数を増加させたりするSEOに有効な記事を書くコツは多岐にわたります。具体的な施策をすべて列挙するのは難しい部分があります。
そこで今回は、特に重要な「検索意図を意識した内容の選定」と「タイトルのつけ方」について詳しく解説します。
タイトルにクリックしたくなる表現とキーワードを入れる
具体的な表現の例 ※必ず実態が伴うものにすること |
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使う表現 | 狙う効果 |
税理士が解説 | 「税理士」という単語で国家資格である士業であることを押し出すことで信頼感を演出する |
図解 | わかりやすい解説であることを伝える |
〇つ | 数字を入れることで説得感を出す |
知らないと損 知らないと危険 |
重要度の高い情報が含まれる記事で重要度を伝える |
SEO対策において記事のタイトルの付け方は非常に大きな意味を持ちます。第一にタイトルはクリックしたい内容にしなければなりません。さらに多くの顧客が検索するために、上位表示できるキーワードを盛り込む必要があります。
とはいえ、狙うキーワードを無理に盛り込み、タイトルとして不自然な表現にするのはNGです。あくまでタイトルになじむ自然な形でキーワードを入れましょう。
タイトルは検索結果に表示されます。ユーザーに「読んでみたい」「有益そうな記事だ」と思ってもらえないとクリックしてもらえず、記事が読まれることはありません。顧客のニーズに適した思わず読みたくなるタイトル付け、魅力的な表現が求められます。
国家資格者である「税理士が解説」をタイトルに含めれば、信頼できる記事だと判断し読みたいと思うユーザーは増えるでしょう。また「図解」をタイトルに盛り込めば、視覚的にもわかりやすい記事だと興味を引くことができます。
ただ、どれだけ魅力的なタイトルであっても、記事内容と大幅にかけ離れているのはよくありません。記事の信頼性を低下させ、SEOにおいてマイナス効果となってしまいます。同様に図表などを用いる場合も、図解がないのに「図解」と入れるなどのタイトルと内容に乖離が生じない表現を使うことが大切です。
記事内容は検索意図を重視して考える
ユーザーは何らかの情報を得るために検索します。ユーザーが何のためにどういった理由で検索するのか、これが「検索意図」になります。現状、Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーの求める記事、有益とされるコンテンツを上位表示していると言われます。つまり検索意図を満たす記事こそが「有益」だと見なされるのです。
ではどんな基準・定義によって「有益コンテンツ」と判断されるのでしょうか。一言で示すのは難しいものの、税理士のブログにおける記事テーマとなる「お悩み系キーワード」の場合は、ユーザーが求める答えが書かれていることが大前提となります。
加えて何らかの悩みや疑問への答えを提供するキーワードですから、ユーザーが120%満足できるコンテンツに近づける必要があります。ユーザー自身が言語化できないものの、実は潜在的に求めている情報、専門家目線による「知っておくべき情報」など、ユーザーに配慮したコンテンツに近づけば近づくほど上位表示される傾向があります。
検索意図の例 | |
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キーワード『契約書 押印』の場合 | |
ユーザーが求める情報 | 契約書への押印方法が知りたい 契約書の押印が必要な箇所や種類を知りたい 「契印」「割印」といった複雑な印鑑の役割の違いを知りたい |
プロ視点で知っておくべきこと ユーザーへの配慮 |
押印を失敗した時の対処法 「袋とじ製本」といった効率化テクニック 図解で押印方法をわかりやすくする |
ユーザーの検索意図を把握するには、次の2つの手法を用います。1つは税理士として実際に受けた相談や質問から掘り下げていく方法で、キーワードや記事のテーマ選定時に用いたのと同様の手法となります。2つめは狙うキーワードのサジェストキーワードから割り出す方法です。この2つの手法の併用がおすすめです。
サジェストキーワードとは、検索の候補となるキーワードを意味します。検索窓にあるキーワードを入れる時に予測表示されるのがサジェストキーワードです。先ほど紹介したキーワードプランナーを用いれば、検索キーワードに関連するサジェストキーワード一覧をまとめてダウンロードすることもできます。
実際の事例については上の表をご覧ください。こちらはCMSproのグループ会社が提供する電子契約サービス「クラウドコントラクト」のオウンドメディアでの記事作成で用いた検索意図になります。
「電子契約」が商材であることから契約書作成に関連するテーマを導き記事を作成しています。押印を失敗した時の対処法や「袋とじ製本」といった効率化テクニックまでユーザーに配慮し、検索意図を満たすべくコンテンツ化を図りました。
ユーザーが120%満足するのSEO対策コンテンツ企画
ホームページ全体のSEO対策はタイトルとディスクリプションを使う
【ホームページ全体のSEO対策方法】
- 1.タイトルのキーワード最適化
- 2.ディスクリプションのキーワード最適化
- 3.内部リンクの最適化
税理士のSEO対策にはブログ記事の作成が適していますが、さらにトップページやサービス紹介ページ、事務所概要ページなどホームページ全体を充実させるのも有効な手段となります。
ページタイトルには「税理士」や「地域や強みがわかるキーワード」などユーザーを引きつけるキーワードを盛り込みます。また記事の要約や概要を記したディスクリプションにもタイトルと同じ情報を入れます。ユーザーが検索する際、記事の概要であるディスクリブションがテキストで表示されます。
タイトルと同じく、ユーザーの興味を引く内容であればディスクリブションを見てクリックする可能性が高くなるのです。さらにページの概要、要約をHTML形式で設定するメタタグをメタディスクリプション(meta description)と言います。ディスクリプションと同じ意味で用いられますが、検索エンジンにページの内容を伝える役割を果たすものです。
《参考》CMSproのディスクリプション
HPと併用して無料ツール「Googleビジネスプロフィール」を活用しよう
ここまでホームページを使った集客手法をご紹介してきました。税理士の集客では、SEO対策と同じくらい、重要で活用するべき無料ツールが「Googleビジネスプロフィール」です。
Googleビジネスプロフィールに登録すると、Google検索やGoogleマップなどのGoogleサービス上に自社の情報を表示できるためです。
住所や電話番号、営業時間、自社サイトなどの基本的な情報から、顧客の口コミ、イベントやキャンペーンの告知まで幅広い集客が行え、知名度アップにも効果的な施策が可能となります。
Googleマップなど地図検索で上位表示されることで、顧客がより情報を得やすくなるMEO(Map Engine Optimization)対策にも役立ちます。ユーザーがGoogleマップなどから税理士事務所が本当に存在しているのか、どこにあるのかといった情報を探すことができ、信頼獲得にもつながります。
また口コミ表示を参考に選ぶユーザーも増えるため、より丁寧な顧客対応・フォローも必要になります。口コミにより顧客と積極的なコミュニケーションを取れるのも利点の1つです。税理士として地域に根差したローカルビジネス集客を実現するためには、Googleビジネスプロフィールの登録が不可欠と言えるでしょう。
「杉並区 税理士」で検索すると、弊社お客様の佐野様の事務所が地図上、地図下に表示されます
マップ検索最適化!低コスト・スピーディーに集客のMEO対策サービス
ビジネスプロフィールの設定方法とポイント
Google アカウントがあれば、ビジネスプロフィールの作成は簡単です。持っていない場合は、ビジネス用メールのドメインを使用し、新しいアカウントを作成します。
Googleや第三者により店舗情報が作成されている可能性もありますので、まずは検索して確認してからの登録を推奨します。すでに登録されてた場合は、ビジネスオーナーとしてあらためて管理を行う方法を選びます。
パソコンでアカウントにログインしたら、ビジネスの名前や業種、国・郵便番号・都道府県・住所などを入力し登録作業を進めます。業種(ビジネスカテゴリー)によって差はほとんどありません。
登録自体は難しくありませんが、Googleビジネスプロフィールのオーナーであると認められるまでは、利用できません。新規登録のオーナー確認は郵送(ハガキ)が基本です。早くて数日、長いと数十日かかる可能性があることに注意します。またビジネス名として屋号以外の不要なキャッチフレーズなどを入力しないようにしましょう。場合によってはGoogleビジネスプロフィールを抹消される可能性があります。
ビジネスプロフィールの運用方法【口コミ対応と研修情報の掲載】
ビジネスプロフィールでは顧客の口コミが表示されます。
税理士の依頼を受けた顧客が口コミをするため、新たな集客につながる可能性が高いのです。口コミを管理し、返信を行うことで顧客満足度の向上と、口コミを閲覧している見込み客からの信頼を得ることができます。
また場所に関するキーワード検索(ローカル検索)において、Googleは「視認性の高さ」を重視しています。「視認性の高さ」とはビジネスの認知度のことで、Googleでは口コミの多さなどが関連してくると示しています。つまり口コミは検索結果とも関連しています。
より多くの口コミを獲得するためには、QRコードを利用するのも一案です。例えば名刺に口コミ投稿画面のQRコードを入れておけば、手間をかけずとも口コミ投稿が可能になるからです。さらにビジネスプロフィールの「投稿」機能も活用できます。
投稿機能のメリットの一つがリアルタイムに告知できる点です。
税理士として銀行や企業などで実施している研修や勉強会の情報を「投稿」に掲載すれば、活動実績をアピールし、ダイレクトな訴求を行えます。地道な口コミへの返信・獲得を目指すことは、税理士としての信頼にもつながります。
監修者谷口 翔太リンヤ株式会社 代表取締役
2007年「リンヤ株式会社」を創業。WEBマーケティング歴16年。草創期より一貫してWEBマーケティング の専門家として、多くの企業の収益向上に貢献。これまでに手がけた企業は2902社。豊富な経験を活かし、SEO対策を中心とした効果的なWEB施策により集客最大化を図る。HP制作から運用まで顧客企業をトータルでサポートしている。