
多くの似通った商品やサービスに溢れかえる現代社会において、常に求め続けられるのが「差別化戦略」です。そんな中、Webマーケティングで着実に成果を上げてきた株式会社コリンでは、差別化戦略の中核に「バリュープロポジション」を据えているのだといいます。バリュープロポジションとはどんなものなのか。代表の谷口嘉正さんに聞いてみました。

監修者谷口 翔太リンヤ株式会社 代表取締役
2007年「リンヤ株式会社」を創業。WEBマーケティング歴17年。草創期より一貫してWEBマーケティング の専門家として、多くの企業の収益向上に貢献。これまでに手がけた企業は2902社。豊富な経験を活かし、SEO対策を中心とした効果的なWEB施策により集客最大化を図る。HP制作から運用まで顧客企業をトータルでサポートしている。
SEO対策やリスティング広告といったWeb集客の運用代行、コンサルティングを提供するCMSpro。その代表である谷口翔太が若手社員とともに、業界の第一線で活躍する方々をゲストに迎え、最新トレンドや実践的なノウハウを深く掘り下げていくコンテンツ『【対談】Web集客のトレンドをつかむ!』の第1回目です。
初の対談となる今回は、谷口の古くからの友人である株式会社コリンの谷口嘉正さんをお招きしました。比較サイト構築サービス『キメレル』といった独自色の強いマーケティングサービスを提供するコリンの根底にある「バリュープロポジション」について深掘りします。

目次
AIによる要約
- バリュープロポジションとは単なる自社の強みではなく、顧客のラストワンマイルの悩みを解決し、顧客を勝たせるための「明確なロジック」である、という本質を解き明かしています。
- 株式会社コリンの主力サービスである比較サイト構築サービス「キメレル」は、競合他社と明確に異なる、その企業の独自の価値を炙り出し、効率的なWEB集客を実現するサービスです。「キメレル」が、なぜ継続して高い成果を叩き出せるのか、実践的なノウハウが語られています。
- 株式会社コリンが最も壁を感じていたのは創業期でした。無名で顧客獲得が難しかった時代に不可欠だったのは、優れた商材だけでなく、提供前の「期待値の徹底的なコントロール」という緻密な顧客折衝術でした。
- AI技術の発展により差別化がより困難になる今後の市場において、小手先のテクニックではなく「自社の得意領域の言語化」こそが最強の生存戦略となります。
- マーケティングで圧倒的な成果を出し続けるために、若手が今すぐ身につけるべき「高い視点と広い視野」の重要性について提言しています。
本題に入る前に
対談企画の記念すべき第一回に快く応じてくださった株式会社コリンの谷口嘉正さん。
ご多忙の折にもかかわらず、わざわざCMSproの会議室にまで足をお運びくださいました。
到着されるやいなや、旧知の仲であるCMSpro代表の谷口と和やかな歓談がスタートします。
ご足労いただきありがとうございます。
来てくれてありがとう。久しぶり。
きれいなオフィスだね。ところで、翔太と俺は従兄弟なんだよ?
えっそうなんですか!?
いや、冗談(笑)。共通の知り合いに「同業で年齢も同じで苗字も同じだから、仲良くしな」って紹介されて知り合った友人(笑)。
もう15年前くらいだっけ?
翔太が事業を始めて3、4年目くらいの頃。26歳くらいだったからだいたいそのくらいだね。
今、フィリピンはどうなの?
フィリピンも順調だよ!今週も行く予定だし。
フィリピンにも事業所を構えてWebマーケティング事業に取り組んでいるのですよね?
そう。もう8年目になるんだけど、今では比較サイト構築のほとんどを任せられるくらいになってる。業務をどんどん効率化して、かかる工数も初年度の3分の1になったから、かなり上手くいってる。現地でマーケティング事業も立上げて、某有名金融機関のフィリピン現地法人からはだいぶ長く受注してるんだよ。
フィリピン、おもしろそうだよね。
おもしろいよ。「バランガイ」っていう自治区みたいなのがあって、独自の役所とか警察組織とかを運営してたり。日本と全然違うから。でも食事はあんまり合わないかな……。
冗談を交えたフランクなやり取りで場を和ませてくださる嘉正さんですが、その言葉の端々から、経営者としての鋭い手腕が垣間見えました。
経営者谷口嘉正のバックボーン
嘉正さんのご経歴をお伺いしたのですが、学生の頃の経験が現在の経営者としての考え方に繋がっている部分も多いと思います。いかがでしょうか?
京都大学から京都大学院まで進んでMBA(経営学修士)を取得してるんだよね。
そう。元々経営者になりたいって思ってたんだけど、大学では工学部を選んで。それで情報工学とか金融工学とかの方面を勉強してた。ただ、そのまま金融の道に進むのは違うのかなと思って、大学院では経営を学ぶことにしてね。そこでベンチャーのこととか、コンサルのこととかを知った。そこでコンサル業界に興味をもって、大手のコンサル企業の選考も受けてたんだよ。
へー、じゃあ内定ももらってたんだ?
いや、最終面接に進むより前に「なんか違うな」って結局辞退することにして。
それは何で??
このままだと大学の勉強の延長でしかないなって思って。もっと自分で価値を作ることに挑戦しないと頭でっかちで「空っぽ」な人間になりそうだなって危機感を抱いて。それに将来経営者になるなら、もっと経営者の近くで働いた方が近道だと思った。
それでスタートアップのイトクロに入ったんだ。
そう。京大のインターンメッセで知ってね。
イトクロに入社された当初はどういった仕事をされていたのですか?
メインはクライアントワークでしたね。SEOの販売から始まって、不動産のテレアポとかの営業代行だったりもしてた。その後Webマーケティングのチームに配属されて金融機関のWebマーケティングのコンサルをやってた。
CMSproのコンサルの手法も嘉正くんと情報交換しながら編み出したものだったりね。
そうなの?(笑)
では嘉正さんは、単に古くからのご友人であるだけでなく、CMSproの事業の根幹に大きな影響を与えた方だったんですね!それでその後はどうされたのですか?
元から経営者になりたいと思ってたから、とりあえずまずは成果を出して認めてもらおうって考えて行動したかな。人材や事業のマネジメントをやらせてもらって、マネージャーに昇進した。昇進まで3年っていう当時の最速記録だよ(笑)。
3年目から5年目までは事業責任者として事業を伸ばすことに力を注いでたね。それで5年目の時にイトクロが上場するってなって。だから上場が終わるまではここに居ようって。
上場が1つの区切りになった、ということですか?
そうだね。スタートアップが上場すると、あらゆる方面においてスピードの鈍化を感じることが多いんだよ。そういう変化もあって、かねてからの思いもあったから、独立することにしたんだよ
ここまでの対談のポイント
挑戦を求める心を強く持ち続ける谷口嘉正さんは、大学院を卒業してスタートアップの株式会社イトクロに入社。SEOやWebマーケティングの現場で実戦経験を積み、最速でマネジメント層として組織運営に関わり始め、マザーズ上場にも貢献した。しかし、上場に伴う事業環境の変化を機に、かねてからの目標であった独立を決意するに至った。
バリュープロポジションとは?経営者谷口嘉正が語る「差別化の哲学」
ここから対談は、メイントピックである「バリュープロポジション」という考え方に関する内容に移っていきます。
そもそも「バリュープロポジション」とはどういう概念なのでしょうか。
前提知識を踏まえたうえで、Webマーケティングにおいていかに重要であるかという対談の本筋に触れていくことにしましょう。
バリュープロポジションという概念の意味
バリュープロポジション(Value Proposition)とは、「企業のもつ独自の価値」を表す言葉で、競合他社には真似できない、明確に差別化できている自社の強みのことを指します。
これは、マッキンゼー・アンド・カンパニーのMichael Lanning氏とEdward Michaels氏が『A Business is a Value Delivery System』の中で最初に定義したものとされます。
マッキンゼーの提唱した定義はまどろっこしくて難解ですが、言い換えれば、「自社の差別化ポイントとして一文で明快に示すことのできる価値」こそがバリュープロポジションなのです。
このことを理解したうえで、対談の内容に戻りましょう。
株式会社コリンにとってのバリュープロポジションとは?
株式会社コリンはあらゆるマーケティングの中心に「バリュープロポジション」を据えているとお伺いしました。御社にとってこの言葉はどんな意味合いをもつ言葉なのでしょうか?
そうだなー。バリュープロポジションっていうのは、うちのメンバーみんなにとって、お客さんを勝たせることができるものという認識だな。実際、業務の中で、お客さんのバリュープロポジションを分析して、その分析に基づいて「どうしたらお客さんが勝てるのか」というロジックを組みたてて、訴求する、みたいな。
では、「バリュープロポジション」が社員全体の合言葉のようになっているということですか?
うん。社員みんなの合言葉かもしれない。うちのメンバーみんな、これが有意義な考え方だって理解したうえで比較サイトとか広告戦略とかの構築を行ってる。だから、全員がバリュープロポジションの意味や価値を説明できるようになってる。最近だとバリュープロポジション事業から派生して、「バリュープロポジション研修」ってのも始めてね。この前はうちのメンバーが、90人のビジネスパーソンを前にして「バリュープロポジション」主軸の事業戦略立案を行うための研修を実施してたんだよ。
すごいね。社員みんなに浸透してるんだね。でも、事業としては具体的にはどんなことをしてるの?
バリュープロポジションってのはつまり考え方だから、結局そこにどんなサービスを乗っけていくかが重要かなって思ってて。現状としては比較サイト構築サービスの「キメレル」なんかがバリュープロポジション事業の主要なところかな。
バリュープロポジション事業「キメレル」とは?
株式会社コリンのバリュープロポジション事業「キメレル」のサービスサイトはこちらよりアクセスいただけます。
バリュープロポジション事業比較メディア構築サービス「キメレル」
「キメレル」ね。いつからやってるんだっけ?
今、独立して9年目になるんだけど、バリュープロポジション事業を始めたのは6年前くらいだったかな。起業当初は、普通に広告代理店のようなことをやっていたんだけど。
だんだん事業のスケールを拡大したいってなるわけでしょ?
うん。広告代理店っていろんなプレイヤーがいるし、大きな会社もたくさんあって。その中で、「自分の会社はどういう広告が得意なの?」という問いにしっかり答えをもっておくべきだなと思ってて。で、その得意なことっていうのがその当時、事業コンサルみたいな。
クライアントと深く関わる経営戦略コンサル的な?
そうだね。戦略コンサルティングに近いようなことをやっていて。それで色々調べてるうちに「バリュープロポジション」って言葉を見つけて。「あ、これ俺らがやってることじゃん」って思ったの。
他社の経営に深く関わって、その企業の価値を見つけて、差別化戦略を見出すっていうことが「バリュープロポジション」そのものだったということですか?
うん。他の会社と異なる価値を炙り出して明言することが俺らの仕事だな、って思った。そしてそれができること自体が自分たちにとってのバリュープロポジションだって。
面白いね。
(笑)。だから、そこを深掘りし始めたのが6年前で、2年ぐらい深掘っていくとさらにこの考え方の価値を実感するんだよ。それと同時に、市場にいる多くのユーザーが同じことに困っているなって気づいたんだよ。
なになに?
物を買ったり、サービスを契約するお客さんって、最後のラストワンマイルの意思決定をするところで困っているなって。意思決定を促すようなマーケティングが求められているなって。
それで「キメレル」?
そう、「『決められない』を世界からなくす」って理念を打ち立てて、意思決定を促すための比較サイト構築サービス「キメレル」にたどり着いた。だからもし「自分の会社はどういう広告が得意なの?」って聞かれたらこう答える。株式会社コリンは、意思決定に携わるマーケティングが得意な会社。
バリュープロポジション事業「キメレル」の実績と現状
人間ドックの比較サイトが、よしまさくんが最初にやった先駆けのやつだよね。
そうだね。あれは1番最初に作ったやつ。
そういう感じで、他にも見せれる限りでいいから、事例とかあれば教えてよ。
じゃあこれ、「キメレル」の訴求のための「比較サイト構築サービス」の比較サイト(笑)。


うんうん。なるほどね。特徴を10項目以上に分類して、何社分も比較表を作ってるんだ。これ、かなり見やすいし、いいサイトだね。
こういう「構築型」「掲載型」って感じで分類して比較したり、他サービスとの10項目以上の比較を載せたり、そのうえでおすすめ3社についてさらに解説したり。こういう充実した比較サイトをたくさん作ってる感じ。ほんと、ひたすら。
しかも特徴をただまとめてるんじゃないよね。この項目だと「キメレル」が一番、みたいな強みを徹底分析して掲載するみたいな?
そうそう。この領域だったら他社に負けない、差別化できてるっていうバリュープロポジションを目立つように配置してサイトを構築していくイメージ。
嘉正くんのこの商材ってどんなお客さんに刺さりやすいの?
そうだな。やっぱり、差別化の部分で明確に困っているお客さん。これがかなり多くいる。あと、マーケティングのことをよく調べて色々やっているけど、プラスアルファでできることを求めてるお客さん。
その二種類のお客さんではどんな違いがあるの?
前者は見つけやすいけど、後者は見つけにくい。だからいろんなリード創出の方法を試して、お客様と巡り合ってるよ。
では総合的にみて、この事業はかなり好調を維持できていると言えますか?
うん、かなり好調だと思いますね。だって、まだ「バリュープロポジション」ってワードはポピュラーなワードじゃないんで。今後、AIの発達もあって、あらゆるサービスの差別化がどんどん難しくなってくると思うの。差別化が要求される限り、バリュープロポジションの考え方は不可欠だから、今後ますます拡大していけると思うんだよね。
ここまでの対談のポイント
マーケティングの差別化戦略において最重要な概念である「バリュープロポジション」の定義と、株式会社コリンにおける実践事例が語られました。嘉正さんは、自社の得意領域が「他社と異なる価値を炙り出し、顧客の意思決定を促すこと」であると見定め、比較サイト構築サービス「キメレル」を展開しています。AI技術が発展し差別化がますます困難になる今後の市場において、バリュープロポジションの考え方がいかに不可欠であるかが浮き彫りとなりました。
乗り越えた過去の苦悩と見えている未来
草創期の苦悩
では、このバリュープロポジション事業に至るまでに経験した挫折だったり、失敗だったり、あるいは苦悩だったりについてお伺いします。どんな経験だったか、どう乗り越えたか、をお教えください。
嘉正くんはあんまり失敗とかしてないんじゃない(笑)?
いやいや(笑)。やっぱり、最初の頃は大変だったよ。で、その時に重視していたのは「期待を超える価値の提供」だった。だからまず、お客さんが自分たちにどんな期待をしているのか、期待値の確認を徹底して。そして次に、その期待値をコントロールすることを試して。放っておくと期待ってのはどんどん大きくなっていくものだから。
特にマーケは、数字で結果がはっきり見えるからね。
うんうん。だから期待値のコントロールっていうのが重要な課題だったように思う。これをうまくやって、その時のお客さんとは実感として長く続いているように思うよ。
今後の展望
今主力としているバリュープロポジション事業は、今後も間違いなく拡大していける。そういう確信をもって進めていらっしゃるように見受けられます。いかがですか?
そうですね、うん。バリュープロポジションはクライアントからのニーズが高い、ってことを実感しているので、この事業は強いと思います。今はよりデジタルマーケティングの必要性を感じている人が増えてますし。それでいて、「差別化戦略を見出せない」「何を軸に考えればいいか分からない」というような不安を口にする人は大勢いるんで。
だから、これからもそういう方々の声を拾っていけると思っています。そして、さっきも言ったけれど、「バリュープロポジション」っていうのは考え方だから、重要なのはそこにどんなサービスを乗っけていくか。今の比較サイト構築だけじゃなくて、最近始めた研修事業もそうだし、コンサルのパッケージ化だったり。で、ここから先は、バリュープロポジションを軸にお客さんの事業開発の支援も行っていこうと思ってて。
今あるサービスだけじゃなくて、他社にいろいろ新しいことを提案できるっていうのは面白いね。
では最後に、今後のWebマーケティングのトレンドを踏まえ、若手社員や新しくWebマーケに携わる人たちにメッセージをください!
みんな海外にチャレンジしたらいいよ(笑)。
海外ですか!?
というのは半分冗談で(笑)。
より広い視野、より高い視点を求めて行くべきですね。マーケティングはこの広い視野と高い視点が必ず求められるし、それが仕事の能力だけでなく自分の人生観にも良い影響を与えると思うから。だから、色んなことに興味を持って取り組んでほしいですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
ありがとう。
まとめ:バリュープロポジションは、今後いっそう求められる差別化戦略の根幹となる考え方である
この対談を通じて、ビジネスにおけるバリュープロポジションの重要性がはっきりと分かりました。
自社にしか提供できない独自の価値を見極め、顧客の「決められない」を力強く後押しする戦略は、AI技術が発達し類似商品が溢れる現代においてこそ真価を発揮します。
手法が多様化しても、顧客の期待値を正しく把握し、本質的な価値を提供し続けるという経営哲学は、今後のWebマーケティングでお客様を勝たせるための確固たる指針となるはずです。

ゲスト・監修谷口 嘉正株式会社コリン 代表取締役
大阪府豊中市出身。京都大学工学部で情報科学や金融工学を学び、同大学経営管理大学院(MBA課程)を修了。新卒でスタートアップ時代の株式会社イトクロに入社し、クライアントワークを中心に、金融機関のWebマーケティングコンサルティングやSEO施策で実績を残す。社内最速でマネージャーに就任し、ボーディングメンバーとしてマザーズ上場を牽引した。
上場を機に、スピード感と自由な挑戦環境を求めて独立、2017年に株式会社コリンを創業。「決められないを世界からなくす」をミッションに、企業のバリュープロポジション(独自の差別化価値)を炙り出し、ユーザーの意思決定を促す独自のWebマーケティング事業を展開。近年はマーケティング研修やフリーランス派遣など複数の新規事業を立ち上げる。また、創業初期からフィリピンへ進出し、現地拠点の創設や日系大手企業の支援など、グローバルな海外展開にも情熱を注いでいる。

| 会社名 | 株式会社コリン(COLIN, Inc.) |
|---|---|
| 代表 | 谷口 嘉正(たにぐち よしまさ) |
| 設立 | 2017年11月 |
| 本社所在地 | 東京都港区浜松町1-2-4浜松町シミヅ産業ビル6F |
| 従業員数 | 約30名以上(フィリピン拠点84名含む) |
| 事業内容 | Webマーケティング支援・メディア構築・新規事業開発 |
| ホームページ | https://www.colin.co.jp/ |





