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ホームページを作成したけどなかなか成果につながらないという場合は動線あるいは導線に問題があるのかもしれません。この2つがしっかりとしていないと、いくら頑張ってホームページを作ったとしても、コンテンツを作り込んだとしても、思ったような結果が得られない可能性があります。
この記事ではWEB集客で必須となる「動線」と「導線」の考え方や戦略の立て方、具体的な施策についてご紹介します。
WEB集客における「動線」と「導線」とは?
「動線」と「導線」。いずれも「どうせん」と読み非常に紛らわしく、混同して使われているケースもあります。しかし、両者には明確な違いがあり、特にWEB集客を行う上ではしっかりと使い分ける必要があります。まずはそれぞれの言葉の意味や両者の違いについて見ていきましょう。
「動線」とは?
「動線」とはユーザーがWEBサイトを訪れた際にゴールまで辿り着くまでのルートです。道路のようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。動線にはWEB集客全体(ホームページや広告、SNSなど)の入口から目的達成までと、ホームページにアクセスしてから目的を達成するまでという2種類があり、両方を設計する必要があります。それぞれがどのようなものなのかについては後ほど詳しくご紹介します。
「導線」とは?
「導線」とはユーザーがWEBサイトに訪れてからゴールまで導くためのルートです。街には無数の道路が張り巡らされていますが、案内標識を設置したりレーンを設けたりしてあげることで、迷うことなくゴールにたどり着けるようになります。WEBも同じで、WEB上にユーザーが動きやすい導線を設けてあげることで、目的までたどり着けるようになります。
導線を整備する最も重要な目的は、ズバリCVR向上!
道路は歩行者や自転車、車がそれぞれの目的地までたどり着けるようさまざまな工夫がなされています。WEB集客をするうえでは、ユーザーが注文やお問い合わせなどのCV(コンバージョン)をしてくれるよう動線と導線を設計することが大切です。
動線・導線が適切であるかどうかはユーザーのCVR(コンバージョン率。コンバージョンに至ったユーザーの割合)が一つの指標となり、我々はCVRの向上を目指して日々WEB集客の最適化を進めています。
WEB集客全体の動線
先ほどもご紹介したように、まずはWEB集客全体でユーザーがどのような動きをするのかという動線、そしてどのようにCVまで誘導するかという導線を設計することが大切です。特に重要なのはホームページへの「入口と出口」です。
入口と出口の把握
入口とはユーザーがホームページにアクセスするまでの経路のことです。ユーザーは検索エンジンや広告、SNS、他サイトからのリンク、ブックマークからの直接アクセスなど、さまざまな経路からホームページに流入してきます。
出口とはCV(ユーザーのアクション)のことです。たとえば購買、ホワイトペーパーのダウンロード、お問い合わせ、無料トライアルやウェビナー、セミナーなどの申込みなどが挙げられます。
集客したいターゲットが自社の商品やサービスの存在、あるいはホームページやコンテンツの存在を知ってもらうために、まずは入口を設けてホームページに誘導する必要があります。そして、入口からホームページに来てくれたユーザーがゴールに辿り着きやすいような出口を設けることが重要です。
ターゲット、サービスに合わせた入口・出口の選択
入口・出口はターゲットのニーズや商品・サービスに合わせて選択しましょう。たとえば情報収集をしている人がターゲットであれば、SEOやリスティング広告で検索エンジンを入口とし、見積もりや資料請求、問い合わせなどを出口に設定するといいでしょう。こうしたユーザーに購買や契約など、高額な支出を伴う、あるいはその可能性が感じ取れるようなアクションを出口として設定するとCVRが下がってしまいかねません。
ホームページに訪れた見込み客の行動や心理状態を予測して適切な入口・出口を考えてみましょう。
入口・出口を含めた戦略決めについては、以下の記事も参考にしてください。
出口を明確にする
ホームページにアクセスを集めたとしても、CVにまで至るユーザーはごく一部です。CVRを上げるためには、ユーザーに対して出口を明確にしておくことが大切となります。たとえば資料請求やカタログ請求、相談会の予約、セミナーの申込みなど、ゴールがたくさんあるとユーザーが混乱してしまいますので、絞り込む必要があるかもしれません。また、「資料請求はこちら」というようなゴールが明確にわかるようなリンクボタンやバナーを目立つ箇所に設置することでもCVRが上がる可能性があります。
ホームぺージ全体の動線
WEB集客では以上のようにホームページに至るまでの導線が重要ですが、同じくらいホームページ内の動線も肝となります。せっかくアクセスを集めたとしても、ホームページ内で迷子になってしまってはユーザーが離脱してしまい、非常にもったいないです。ここからはホームページの中の動線について考えてみましょう。
ユーザー志向のWEBサイトの動線とは?
WEBサイトの動線を設計する上で重要なのは「ユーザー志向」という考え方です。ともすればホームページは見栄えを気にしがちとなります。確かにかっこいい・きれいなサイトは魅力的ではありますが、集客が目的である以上、CVにつながらなければ意味がありません。
ユーザー中心のデザイン
ホームページはユーザーの見やすさや使い勝手を考慮してデザインしましょう。必要な情報がすぐに読み取れるコンテンツのレイアウトやフォントの大きさ、色使い、他のページに遷移しやすいようなメニュー、すぐにアクションを取れるリンクボタンやバナーの配置場所など。ユーザーの立場になって徹底的にこだわり、客観的な視点から検証を重ねつつベストな形を追求していくことが大切です。そのうえで見た目が美しければブランディングにもつながります。
レスポンシブデザイン
総務省の調査によると、2019年のスマートフォンの保有率は67.6%。実に7割近くの人が日常的にスマホを使っているということになります。特に若い世代ではパソコンではなくスマホで情報収集するスタイルが主流です。
WEBサイトはパソコンで制作するケースがほとんどですが、パソコンだけではなくスマホやタブレット端末、それも幅広いブラウザで問題なく閲覧できるよう必ずレスポンシブデザインに対応しましょう。
すぐに離脱されてしまう!どんな動線?
ホームページの使い勝手が悪い、求めている情報が掲載されていないとなると、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。さまざまな人が訪れるため、どのようなWEBサイトであってもある程度離脱する人はいるのですが、あまりにも直帰率(1ページだけ見て離脱してしまった人の割合)が多い場合はなんらかの課題がある可能性が高いです。ここからはホームページの直帰率が高い原因について考えてみましょう。
ホームページが古いまま放置されている
ホームページの情報が古いまま、あるいはデザインが昔のまま変わっていないとなると、ユーザーに不安を抱かせることになります。「倒産しているのではないか」「サービスが終了してしまったのではないか」とすら捉えられかねません。
また、ホームページを更新しないと検索エンジンからの評価が低下し、検索結果の順位が下がってしまいます。競合にユーザーが流れる可能性もあるため、早めに対策する必要があります。
探している情報にたどり着けない
ホームページに掲載されているコンテンツが乏しい、あるいは逆に情報量が多すぎて整理されていないとなると、ユーザーの使い勝手が悪く離脱につながります。
コンテンツをジャンルごとに整理してインデックスをつける、見やすいようメニューに表示させる、関連が深いコンテンツ同士で内部リンクを設置して回遊できるようにするなどの動線を整備することで、直帰率を大幅に抑えることが可能です。これによってユーザーに商品やサービスの魅力が伝わりやすくなり、潜在的なニーズを顕在化させることができ、CVRの改善にもつながります。
専門用語が多すぎる
その業界や社内でしか通じない専門用語やビジネス用語、いわゆる横文字を多用した難解なホームページもユーザーの直帰率を上げる要因となります。特に専門用語は普段使っていると「世間一般でも通じるだろう」という思い込みが生じがちです。
ホームページの文章は中学生が見ても理解できるくらい、わかりやすく書くよう心がけましょう。また、見栄えを気にしてメニュー表記を英語にするというのもよくしがちですが、日本人を対象にするのであればやはり日本語表記のほうが見やすいです。
リンク切れ
先ほどもご説明したとおり、ホームページ内にある情報を整理してコンテンツ同士をリンクでつなげるのは非常に有効ですが、リンク切れには注意しましょう。せっかくユーザーの熱量が上がっているのに、リンク切れで情報が入手できず離脱されてしまうのは非常にもったいないです。
リンク先に指定していたコンテンツを消してしまう、リンクURLを間違えたなどのミスが要因で発生してしまうケースも少なくありません。たとえばリンクを貼る際には実際にリンクをクリックしてリンク先に飛べるかどうか検証してみましょう。
読み込み速度
ネットユーザーは情報を集めるためにさまざまなサイトに訪問し、多くの情報から自分が求めているものを選別しています。サイトの表示速度が遅いとストレスを感じさせ、すぐに離脱につながってしまいます。WEBアクセス解析ツールを提供しているKissmetrics社は、サイトが表示されるまでに3秒以上かかると40%以上のユーザーが離脱してしまうという調査結果を発表しています。
速度が早いサーバーを利用する、余計なものを表示させない、動画や画像など容量が大きいものは圧縮するか必要以上に掲載しないなど、軽量化も意識してホームページを作成しましょう。
CTA(行動喚起)の重要性
CTAとは「Call To Action」の略で、ユーザーに行動を起こさせるための要素のことを指します。たとえば「お問い合わせはこちら」「資料請求はこちら」「今すぐチェック」と書かれたリンクボタンやバナー、誘導テキストなどが挙げられます。
CTAの配置場所やデザイン、文言などでCVRは大きく変わってきます。ユーザーの熱量が高まっているタイミング、たとえば記事を読み終えたときなどに行動を起こさせるような場所に配置する、目立つサイズや色使いにするなど、さまざまな工夫が必要です。CTAのデザインや配置場所を変更し、その前後でCVRがどのように変化するかをテストしてベストなものを追求してみるのも有効です。
WEB集客導線の分析と最適化
アクセス数や流入元、先ほどご紹介した直帰率やCVRなどのデータを分析しやすいという点がWEB集客のメリットであり、これを最適化に活かさない手はありません。データを分析して改善していくのが成功までの定石といえます。
ここからはWEB集客の動線の分析と最適化の基本的な考え方や方法についてご紹介します。
入口の効果測定
まず重要なのは入口の効果測定です。ホームページの入口は検索エンジンの検索結果画面、広告、SNS、他サイトからのリンクなど、さまざまあります。どの入口から流入が多いのか、どこから来たユーザーのCVRが高いのかを検証することで、よりWEB集客の成果が上がりやすくなります。
たとえば検索エンジンから流入するユーザーのCVRが高いのであれば、SEO対策を強化して検索結果画面の上位のホームページが表示されるようにすることで、よりアクセスが集まってCV件数も増える可能性があります。
ホームページの効果測定
ホームページ内でユーザーがどのような動きをしているのかもしっかりと把握しておく必要があります。先ほどもご紹介したようにすぐに離脱されてしまうのであれば、ホームページの問題点を洗い出して早急に改善しましょう。
CVにつなげるキラーコンテンツページを作成したのにも関わらず、CVRが上がらない場合は、動線になんらかの課題が発生している可能性があります。たとえばそのページに辿り着く前にユーザーが離脱しているのであれば、トップページからアクセスしやすいようレイアウトを変更してみましょう。コンテンツページにたどり着いたのにも関わらず離脱されてしまう場合はCTAが目立っていない、商品やサービスの魅力が伝えきれていないなどの改善点が考えられます。
集客動線の分析に使えるツール
以上で効果測定の重要性についてご説明してきました。ここからは集客動線の分析に使えるツールをご紹介します。実際に私たちもこれらのツールを駆使してデータを収集し施策の効果測定を行っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
Google Analytics
検索エンジンでおなじみのGoogleが提供しているWEB解析ツールです。WEBサイトのアクセス数や直帰率、流入元、ユーザーの所在地(地域)や年齢、性別など、さまざまなデータを収集することができます。
無料ツールの中では圧倒的に機能が充実しており、私たちの業界ではもっともメジャーな解析ツールといっても過言ではありません。また、アラート機能を使えばアクセス数の急増・急減や直帰率の上昇など、重要な変化が発生した場合にすぐに状況を把握することができて便利です。
Google Search Console
こちらもGoogleが提供しているWEB解析ツールです。特に検索キーワードに関するデータ(自社ホームページが検索結果画面に表示された際に検索されたキーワード、キーワードごとのアクセス数や表示回数、掲載順位など)の収集ができるのが強みです。
また、サイトに発生しているエラーの感知や修正、検索の最適化などが行えるため、SEO対策を行う上ではなくてはならないツールです。
Microsoft Clarity
Microsoft ClarityはMicrosoftが提供しているヒートマップツールです。ヒートマップとはWEBサイトの訪問者の動きを色で可視化するツールで、ユーザーがよく見ている箇所や逆に全然見ていない場所、リンクボタンやバナーのクリックやタップされる頻度を調べることができます。
特にコンテンツのレイアウトやCTAの配置場所を改善する際には、ヒートマップがヒントとして有効活用できます。
User Local
株式会社ユーザーローカルが提供しているアクセス解析ツールです。Google Analyticsと同様、アクセスデータやユーザーの属性などのデータが収集できます。また、ヒートマップツールも利用可能です。
CVRはユーザーが使っているデバイスによっても大きく異なります。特筆すべきはパソコンやスマホ、タブレット端末などのデバイス別、そしてその中でもiOSやAndroidなどOS別のデータを詳細に分析しやすい点が挙げられます。
お困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!
WEB集客ではホームページまでの「導線」と、ホームページ内のゴール(CV)までの「動線」設計が非常に重要となります。しかし、的確な導線・動線を張り巡らせるためには、ノウハウと精度が高い分析が必要不可欠です。
どのような戦略を立てたらいいかわからないというときはCMSproにご相談ください。私たちはこれまで41業種3,000件近くの実績があり、あらゆる業界の企業様においてWEB集客の成功をお手伝いしてきました。WEB集客の戦略決めから手法のご提案、設計、運用、改善まで、一貫してサポートいたします。
監修者谷口 翔太リンヤ株式会社 代表取締役
2007年「リンヤ株式会社」を創業。WEBマーケティング歴16年。草創期より一貫してWEBマーケティング の専門家として、多くの企業の収益向上に貢献。これまでに手がけた企業は2902社。豊富な経験を活かし、SEO対策を中心とした効果的なWEB施策により集客最大化を図る。HP制作から運用まで顧客企業をトータルでサポートしている。