WordPressを利用していると、「改ざんされたらどうしよう」「ウイルスを仕込まれるのでは」と不安に思われたことはありませんか?WordPressは全世界で圧倒的なシェアを誇るCMS(コンテンツマネジメントシステム)である一方、その人気ゆえに改ざんやサイバー攻撃の格好の標的にもなっています。実際に「気づいたらWebサイトが書き換えられていた」「検索結果に“危険なサイト”と表示されてしまった」など、WordPressに対する改ざんや攻撃による被害はあとを絶ちません。
この記事では、WordPressがなぜ狙われやすいのか、改ざんされると何が起こるのか、そして初心者でもすぐ始められる対策方法を、わかりやすく解説します。WordPressを安全に使い続けたい方はぜひご一読ください。
目次
【単純明快に解説】WordPressが改ざんされやすい理由
WordPressの改ざんやサイバー攻撃……聞いただけで対策が難しそうに感じられるかもしれません。しかし、仕組みをきちんと理解すれば、対応方法も見えてきます。WordPressは便利で拡張性も高い反面、攻撃者にとっては格好の標的です。
特にセキュリティ知識が乏しい初心者ユーザーが増えている今、WordPressを狙うハッカーも増え、リスクはさらに高まっています。ここからは、なぜWordPressが改ざんされやすいのか、3つの観点から解説していきます。
WordPressは利用者数が圧倒的に多いコンテンツマネジメントシステム(CMS)
2025年現在、世界のWebサイトの43%以上はWordPressで構築されているといわれています。つまり、世の中の半数近くがWordPress製のサイトということになります。
そのため、サイバー攻撃者から見れば効率的に狙える対象が数多く存在している状況です。
とりわけセキュリティ管理が不十分な個人運営のブログや小規模事業者のサイトは、改ざんの被害を受けやすい傾向にあります。
初心者でも簡単に使える=セキュリティ管理が甘くなりがち
WordPressの魅力の一つは、専門知識がなくても誰でも簡単にWebサイトが作れる点にあります。しかしこの手軽さが、時にリスクにつながることがあります。たとえば、初期設定のまま使っていたり、管理画面のパスワードが「123456」など推測されやすい文字列のままだったり……こうした甘いセキュリティの隙を突かれて、改ざんされるケースが後を絶ちません。
近年では、銀行や証券会社で二段階認証が必須になっている、Webサービスの管理者から定期的なパスワード変更を促されるなど、ネット全体でセキュリティ意識が高まっています。しかし、WordPressはユーザーの自己責任に任されている部分が多く、セキュリティ対策を後回しにしたサイトが格好の餌食になっているのです。
オープンソースの特性とプラグイン依存
WordPressはオープンソースとして無償提供されているCMSです。誰でも自由に使え、カスタマイズもしやすいのが特徴ですが、同時に脆弱性(セキュリティホール)も公開されやすいというデメリットがあります。
また、WordPressは「プラグイン」と呼ばれる追加機能を使って簡単に機能拡張できますが、これも改ざんのリスク要因となり得ます。特に更新が止まっているプラグインや、開発者が不明なものを使っていると、セキュリティの穴がそのまま放置され、そこから攻撃される危険性があるのです。
つまり、WordPressの便利さと柔軟性は、セキュリティ上の“諸刃の剣”とも言えるのです。
WordPressが改ざんされると起こりうる5つのリスク
ここからが今回の記事の本題です。WordPressが改ざんされると、「ちょっと困った」では済まされない重大なリスクが発生します。しかもそれは、ご自身だけでなく、サイト訪問者、取引先、顧客などにまで影響が及ぶおそれがあります。以下では、代表的な5つのリスクを取り上げ、それぞれどのような被害が発生しうるのか、わかりやすく解説します。
1. Webサイトの見た目や内容が勝手に書き換えられる
改ざんの典型的なパターンが、Webサイトの見た目やテキストの書き換えです。自身のサイトなのに、アクセスしてみたら見覚えのない画像や文章が表示されていた…そんな経験がある方もいるかもしれません。
特に多いのが、不正なリンクが埋め込まれて、詐欺サイトやアダルト広告に飛ばされるケースです。訪問者からすれば「この会社は怪しい……」という印象を与え、一度失ってしまった信頼を取り戻すのは至難の業です。
2. サイト訪問者にウイルスや悪意のあるソフトウェアを拡散
WordPressが改ざんされることで、運営者自身だけでなく、サイトを見に来たユーザーまでもがウイルスに感染してしまうことがあります。たとえば、改ざんによって埋め込まれた不正スクリプトが、訪問者のPCにマルウェアを自動でダウンロードさせる仕組みになっていると、「サイトを見ただけで感染してしまう」という事態が発生するのです。
こうしたケースでは、自社に落ち度がなくても“加害者扱い”される可能性があるため、非常に危険です。
3. 検索エンジンの評価が下がり、警告を表示
WordPressの改ざんによってウイルスやマルウェアが仕込まれていると、Googleなどの検索エンジンは「このサイトは安全ではありません」という警告を表示するようになります。この時点で、SEO評価(検索順位)は大幅に下がり、ユーザー流入が激減します。そして一度こうした評価を受けると、再び信頼を回復するまでには相当な時間と手間がかかるのです。
最悪の場合、Google検索結果から完全に除外(インデックス削除)されることもあり、ビジネスに致命的なダメージを与えるでしょう。
4. サーバーが踏み台にされ、犯罪行為に加担するリスク
WordPressが改ざんされると、攻撃者はあなたのサーバーを「踏み台」として利用する可能性があります。踏み台とは、他のシステムやサイトへの攻撃を行うための中継地点のことです。攻撃元をたどると、あなたのサーバーが発信源に見えるため、無関係でも加害者扱いされる危険性があります。
さらに、不正アクセスによって機密情報や顧客データが漏洩し、それが第三者に被害を与えれば、損害賠償請求や訴訟に発展することも考えられます。改ざん被害は自身だけの問題ではなく、法的トラブルの引き金にもなり得る重大事態なのです。
wordpressの改ざんは「見つけにくい」のがこわい
WordPress改ざんの恐ろしさは、見た目に異常がないまま被害が進行するケースが多いことです。
見た目は正常でも、内部のソースコードに不正なプログラムが埋め込まれている場合、運営者がそれに気づかず長期間放置してしまうことがあります。その間も、訪問者へのウイルス感染やデータ流出といった被害は静かに広がっていくのです。
サイト運営者自身も気づきにくいケースが多い
改ざんの中には、表示上は何も変わらないケースがあります。たとえば、管理画面やトップページはいつも通り表示されていても、特定の条件下で不正スクリプトが動作するよう仕込まれている場合です。
このような場合、気づくのは検索エンジンからの警告や、訪問者からの指摘があったときで、改ざんされてからそれが発覚するまでに数週間~数か月かかることも珍しくありません。その間の被害は計り知れず、ブランド価値の低下や信頼喪失に直結します。
一度の改ざんで出入り自由に
攻撃者は、一度侵入に成功すると「バックドア(裏口)」を設置することがあります。これは、セキュリティ対策を施しても、攻撃者が再び侵入できるよう仕掛けられた抜け道です。
ひとたびバックドアが設置されてしまうと、パスワードを変更しても意味がなく、何度でも改ざんされてしまう可能性があります。これを完全に除去するには、専門的な調査とクリーニングが必要であり、個人での対応は極めて困難です。
WordPressの改ざんを防ぐためにできること【基本の対策】
改ざんは非常に厄介ですが、今日から始められる基本的な予防策があります。ここでは初心者の方でも取り組みやすい6つの方法を紹介しますので、ぜひ実践してください。知っているだけでなく、実際に行動することが何よりも重要です。
1. WordPressのテーマ・プラグインは常に最新版を
WordPressの「テーマ」とはサイト全体のデザインやレイアウトを決めるテンプレートのこと、「プラグイン」は機能を追加する拡張ツールのことです。これらが古いままだと、既知の脆弱性を突かれて侵入される可能性が高まります。
常に最新版にアップデートする、自動更新の設定を有効化する、使わないテーマやプラグインは削除するといった対策を習慣づけるだけでも、改ざんリスクは大きく減らせます。
2. 強固なパスワード+二段階認証の導入を
パスワードは、推測されにくい長く複雑な文字列にしましょう。誕生日や社名、個人名など予測されやすい情報は避け、英数字・記号を組み合わせるだけでも格段にリスクを低減できます。
加えて、二段階認証の導入が有効です。「Google Authenticator」や「Authy」などのアプリを利用すれば、IDとパスワードに加えて、スマホに表示されたワンタイムコードを入力しない限りログインできなくなります。これにより、パスワードが漏れても不正アクセスを防げます。
3. ログインURLの変更も有効
WordPressのデフォルトのログインURLは「/wp-login.php」や「/wp-admin」です。これは世界中の攻撃者に知られており、総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)の標的になりやすい設定です。
「SiteGuard WP Plugin」や「WPS Hide Login」といったプラグインを利用して、ログインURLを独自のものに変更することで、不正アクセスを大幅に減らせます。
4. セキュリティプラグイン等で、改ざん時の速やかな検知を
改ざんを防ぐことも重要ですが、被害の早期発見も同じくらい大切です。「Wordfence Security」や「SiteGuard WP Plugin」などのセキュリティプラグインは、ファイルの改ざんや不正アクセスの兆候を検知し、メールなどで通知してくれます。
また、契約しているサーバーによっては、改ざん検知サービスや自動通知機能を備えている場合もあります。契約プランを確認し、利用できる機能は積極的に活用しましょう。
5. 定期的なバックアップの取得
どれだけ対策しても、改ざんや攻撃を100%防ぎきれるとは限りません。そのため、万が一に備えたサイトのバックアップが不可欠です。
プラグインを利用すれば、自動的にバックアップを取得し、外部ストレージに保存することも可能です。また、多くのレンタルサーバーではバックアップ機能を提供しています。いざという時に迅速に復旧できるよう、定期的なバックアップ取得スケジュールを設定しておきましょう。
6. アクセス権限の設定、アクセス制限の実施も
WordPressの改ざん防止をより強固なものにするために、サーバーレベルでのアクセス制限を行いましょう。
ファイルごとに適切なアクセス権限を設定(書き込み権限を最小限に)する、管理画面へのアクセスを特定のIPアドレスに限定するといった対策により、攻撃者の侵入経路を物理的に遮断できます。
まとめ|WordPressの人気はハイリスクと背中合わせ。常に「守る意識」を
WordPressは、世界で最も利用されているCMSだからこそ、攻撃対象にもなりやすい存在です。便利で拡張性が高い反面、セキュリティ管理を怠ると、サイト改ざんや情報漏洩、検索エンジン評価の低下など、サイト運営はもちろんビジネスそのものに甚大なダメージを与えかねません。
「自分のサイトは大丈夫」ではなく、「いつ狙われてもおかしくない」という前提で備えることが重要です。基本的な対策を継続し、自社と顧客の安全を守る意識を持ち続けましょう。
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今回ご紹介したように、改ざんやサイバー攻撃を防ぐための方法は多岐にわたりますが、実際にすべてをご自身で行うのは大変です。アップデートやログ監視、バックアップの管理など、日々の保守業務には時間も専門知識も必要となります。
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