WordPressでホームページが完成して一安心……と思われている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、重要なのはその後です。WordPressで作成したサイトは保守管理が必要となります。適切に管理されていない場合、サイトが正常に表示されなくなってしまったりトラブルが発生したり、最悪の場合サイトが閲覧できなくなってしまったりすることも考えられます。
この記事ではWordPressサイトの保守管理の必要性や行うべき作業の内容、保守管理を怠った場合のリスクについてご説明します。
目次
WordPressサイトの保守管理とは?
WordPressサイトの保守管理とはサイトの正常な状態を維持し、トラブルが発生した際にいち早く対応することを指します。
サーバー・ドメインやPHPの更新、サイトの死活監視、プラグインの管理・導入、ハッキングやサイト改ざんの対応、障害が発生した際の復旧・修正など、その作業は多岐にわたります。
WordPressサイトの保守管理をする意味~3つの重要な理由~
そもそもなぜWordPressサイトの保守管理を行わなければならないのでしょうか?それには大きく3つの理由が挙げられます。
①サイトを安全に、安定して動作させる為
WEBサイトは24時間365日正常に閲覧できて当たり前と思われるかもしれません。しかし、実際には何らかの理由で表示速度が遅くなってしまったり、不具合が発生したり、さらには閲覧できなくなってしまうといった事態が発生することもあります。特に公開直後のサイトは不具合が発生する可能性も高いです。
安定してサイトを作動させるためには今回ご紹介するような保守管理作業が必要不可欠です。
②WordPressはアップデート対応が必要
WordPressは定期的にバージョンアップがなされ、それによって新しい機能が追加され、セキュリティ性能も向上します。一方で、サイトの仕様によってはアップデート後に不具合が発生するケースもあります。
不具合が発生しないようチェックしつつも、アップデートに対応してサイトの安定性やセキュリティを強化していく必要があります。
③WordPressはハッカーの攻撃を受けやすい
WordPressは世界中で広く普及しているサイト制作ツールです。それだけにハッカーから狙われやすいという側面もあります。サイバー攻撃を受けてサイトを閲覧できなくされてしまったり内容を改ざんされてしまったりといったケースも少なくありません。
日頃から保守管理をしっかり行ってセキュリティを強化し、攻撃を受けた際にはいち早く復旧させることが重要です。
WordPressサイトの具体的な保守作業
WordPressサイトを正常に作動させるためには以下のようなさまざまな保守管理作業が必要となります。
サーバー・ドメインの更新
WordPressサイトが閲覧できるようにするにはサーバーとドメインが必要です。サイトが家だとするとサーバーは土地、ドメインは住所です。賃貸住宅に住み続けるためには家賃を支払って定期的に契約更新しなければならないのと同じように、サーバーやドメインも利用料を支払い、契約を更新しなければなりません。
契約が切れてしまった場合、サーバーやドメインを利用できなくなり、サイトが表示されなくなってしまいます。契約期限や利用料の支払い状況の確認、契約更新手続きなどを怠らないようにしましょう。
PHPの更新
PHPとはWeb系のプログラミング言語です。WordPress本体やプラグインはこのPHPで作成されています。PHPに関しても常に改良が加えられており、バージョンアップすることでサイトの高速化、セキュリティ性能の向上が期待でき、エラーや不具合が出にくくなります。
逆にいえばPHPの更新を怠ってしまうとサイトが重くなってしまう、セキュリティが脆弱になってしまう、トラブルが発生するなどのリスクが高くなってしまうため、定期的な更新作業は必須です。
サイトの死活監視
サイトの死活監視とはサイトが正常に表示されているかをチェックすることです。サイバー攻撃やサーバー・ドメインの期限切れやエラー、その他トラブルによってサイトのデータが失われてしまったり正常に表示されなくなってしまったりすることもあり得ます。
目視あるいはツールを用いて死活監視を行うことで、万が一トラブルが発生したとしてもすぐに対応ができ損害を最小限に抑えることが可能です。
WordPressを最新の状態に保つ
PHPに加えWordPress本体も定期的に改良版がリリースされます。WordPressをバージョンアップすることで、サイトの安定性やセキュリティ性能がアップします。前述のとおり、WordPressはハッカーから狙われやすいため、常に最新版を使用することが望ましいです。一方で、サイトの仕様によっては不具合が発生することもあります。
WordPressのバージョンアップ作業と、その後のサイトの動作確認と不具合の修正が非常に重要です。
プラグインの管理・導入
プラグインとはWordPressの機能を拡張するためのシステムです。たとえばSEO効果を高めるもの、セキュリティを強化するもの、デザイン性を高めるものなど、さまざまなプラグインがあります。
プラグインは非常に便利な一方で、導入には細心の注意が必要です。たとえば導入したプラグイン同士の相性が悪いと不具合が発生することもあります。また、プラグインの更新を怠るとサイバー攻撃の標的になってしまう可能性もあります。
必要とする機能やサイトの状況に応じて適切なプラグインを導入・管理することが大切です。
セキュリティ対策
WordPressはどうしてもハッカーに狙われやすいため、セキュリティ対策が非常に重要となります。まずはサイトの脆弱性を把握しておきましょう。WordPressのサイトヘルスを参照する、脆弱性情報を把握しておく、脆弱性診断を受けるといった方法で自サイトのセキュリティ対策が十分か不十分かを把握することが可能です。
WordPressのセキュリティ対策としてはログインパスを複雑なものにするといった基本的な事柄から画像認証や2段階認証を導入する、セキュリティプラグインを導入するなど、さまざまな方法があります。
複数のセキュリティ対策を組み合わせることで、サイバー攻撃の被害に遭うリスクを格段に軽減することが可能です。
ハッキングやサイト改ざんの対応
万が一ハッキングやサイト改ざんの被害に遭った際は迅速に対応してなるべく早く復旧させる必要があります。部分的に内容が改ざんされているのであれば当該箇所の修正だけで済む場合もありますが、被害が甚大であれば再度データをアップロードし直さなければならないケースもあります。
また、再発を防ぐためにハッキングや改ざんの原因となったセキュリティーホールを埋めることも重要です。
定期的なバックアップ
WordPressサイトを作成される際にはバックアップをとられることをおすすめします。サイトデータと同一のデータをサーバー以外の場所に保管しておくことで、万が一サイトが消えてしまった場合、あるいはハッキングや改ざん被害に遭った場合でも、すぐに復旧することが可能となります。
できれば週1回程度サイトデータのバックアップを取りましょう。
障害が発生したときの復旧・修正
サイバー攻撃によるハッキングやサイト改ざん等の被害以外でも、WordPressやプラグインのアップデート、サーバーの障害、更新時の人為的ミスなど、さまざまな要因によってサイトに不具合やエラーが生じることがあります。
こうした際にもまずは原因を見極めて修正やバックアップファイルの使用など適切な対応を行い、再発防止策を講じることが大切です。
WordPressサイトの保守管理を放置したときのリスク
以上のように、WordPressサイトを正常に維持していくためにはさまざまな保守管理作業を行う必要があります。仮にこれらを怠った場合、以下のような事態が発生するリスクがあります。
(1)サイトやサーバーがハッキングされる
前述のとおりWordPressは非常に使い勝手がよく世界中で愛用されているサイト作成ツールですが、それだけにハッカーの標的になりやすくなっています。そのため、定期的なアップデートを重ねてセキュリティが強化されているのです。
WordPressのアップロードに対応せず古いバージョンを使用したままだと、相対的にセキュリティ性能が低下してハッキングされるリスクが高まります。
(2)サイトが閲覧できなくなる
パソコンやスマホのOS、Google chromeやEdgeといったブラウザも日進月歩で改良が進んでいます。WordPressのアップデートを怠ると、最新のOSやブラウザで表示されない、閲覧する際にエラーが発生するといった不具合が生じる可能性もあります。
(3)エラー表示やメッセージが表示される
使用しているWordPressのバージョンが古いとサイトを閲覧した際に不具合がなくてもエラー表示やメッセージが表示される事象が発生することがあります。仮に閲覧ユーザー側に影響を及ぼさなかったとしても、「このサイトは危険なのでは?」という不信感や不安を与えることにもなりかねません。
(4)サイトのレイアウトが崩れる
WordPressを放置しておくことでサイトのデザインが崩れる、画像が表示されなくなる、リンク切れが発生するなどの不具合が発生することもあります。WordPress本体に問題が発生しているケースもあれば、プラグインが原因となっているケースもありさまざまです。
こうした事態を引き起こさないためにも、日頃からサイトの死活監視をしっかり行い、不具合が発生した際には原因を特定して対策することが重要です。
(5)WordPressやプラグインの更新ができなくなる
WordPressの改良に合わせてプラグインもアップデートされます。WordPressの更新作業を行っているとプラグインが不具合を起こしてサイトが正常に動作しなくなってしまう、あるいはWordPressのアップデート対応自体ができなくなってしまうといった事象も発生するおそれがあります。
サイトを一から作り直す場合も
ハッキングや改ざんの被害に遭ってしまった、あるいはWordPressやプラグインが不具合を起こした場合でかつバックアップを取っていないと、サイトの作り直しを余儀なくされるケースもあり得ます。そうなればまた制作費や人件費がかかり多大な損害が発生することになる上、その間はサイトからの集客もできないため売上にも大きな影響が及ぶ事態にもなりかねません。
WordPressサイトの保守管理でよくあるトラブル3選
WordPressを保守管理は自社で行う、ホームページ制作会社に依頼する、専門業者に依頼するかのいずれかになります。自社で行う、あるいはWordPressの保守管理に慣れていない制作会社に外注することで、以下のようなトラブルが発生するリスクもあります。
①担当者の退職
自社WordPressの保守管理業務を行う場合、担当者以外はその内容を把握しづらく、ブラックボックス化してしまう傾向があります。
その担当者が退職してしまってサーバーやドメインの契約状況がわからなくなってしまった、更新や修正ができなくなってしまった、WordPressの管理画面がわからずログインすらできないというお手上げ状態に陥ってしまうケースも少なくありません。
②保守サービスがない制作会社でHPを作成
ホームページ制作を制作会社に依頼してWordPressの保守管理もその会社に外注するというケースも非常に多いです。しかし、世の中にはホームページを制作してそのままという会社、保守管理にはあまり力を入れていない会社も少なくありません。
ホームページを作ったまではいいもののその後はノーメンテナンス、外注しているので社内の担当者は詳細を知らず、結局放置されているというケースも非常に多いです。
③WordPressやプラグインのバージョンアップ
WordPress本体やプラグインをアップデートした場合、それに合わせてサイトの仕様も調整していく必要があります。特に社内の担当者がホームページを制作した場合、ノウハウがなくWordPressやプラグインのアップデートに合わせたホームページの改善にまで対応しきれないというケースも多々見受けられます。
WordPressサイトの保守サービスの選び方
WordPressの保守管理を外部に依頼する際にはどこに依頼するか?をしっかりと検討することが大切です。以下のポイントに注意しながらWordPressサイト保守サービスを選びましょう。
実績があるか
以上のようにWordPressサイトの保守管理にはさまざまな作業が必要となります。また、トラブルや不具合が発生した際には、その原因を正確に把握して適切な対応をしなければなりません。また、WordPressとプラグイン、あるいはプラグイン同士の相性などを判断するにしても経験値やノウハウが必要です。
その会社にWordPressサイトの保守管理の実績がどれくらいあるのか?どのような作業を行ってくれるのか?に着目してみましょう。
サポート窓口の有無
WordPressサイトを運用しているとサイバー攻撃を受ける、サイトに不具合が発生するなど予期せぬトラブルが発生することがあります。そうした際に緊急で相談に乗ってくれるサポート窓口があるかどうかもあらかじめ確認しておきましょう。
サポートに対応してくれる曜日や時間、受付方法(メール、チャット、電話など)についても把握しておくことが大切です。
予算と必要なサポート内容が合っているか
業者によってサービスの内容や範囲はさまざまです。WordPressやプラグインの更新のみを対応してくれる会社もあれば、PHP更新やSSL対応までしてくれる会社、あるいは集客サポートまでしてくれる会社もあります。とはいえ、サービスが充実していればそれだけコストもかかってしまいます。
費用と自社に必要なサービス内容が釣り合っているかどうかについてもしっかりと検討しましょう。
WordPressサイトの保守サービスの相場
WordPressサイトの保守管理にはさまざまな作業が必要となり、各社によって料金も大きく異なります。最後にWordPressサイト保守管理サービスの費用相場や判断のコツについて考えていきましょう。
相場は月額4,000~50,000円
WordPressサイトの保守管理サービスの料金相場は月額4,000~5万円と結構幅があります。そもそも「保守管理」の定義は非常に曖昧です。たとえばトラブル時の対応のみを保守管理とすることもあれば、WordPress・プラグインなどの定期的な更新も保守管理に含めている会社もあれば、サイトや集客の改善も含めて保守管理としている会社もあります。
価格だけで判断しないように
WordPressサイトの保守管理にかかる費用は安ければ安いに越したことはありません。しかし、いくら費用が安くても必要とする作業をしてくれない、トラブルや不具合が発生してしまったとなれば安物買いの銭失いになってしまいかねません。
WordPressサイトの保守管理サービスを選ぶ際には、値段だけを見るのではなく、サービスの内容や範囲についてもしっかりと検討し、トータルで判断することが大切です。
まとめ
WordPressサイトは作っておしまいではありません。むしろそこからコンテンツを増やしていくことで集客効果を高めることができるようになります。そして、ユーザーに安心してホームページを見てもらうためには定期的な保守管理が非常に重要です。
ぜひこれからホームページを制作される場合は、その後の保守管理も見越して制作会社を選びましょう。また、すでにWordPressサイトをお持ちの場合は、保守管理が適切にできているかどうか見直してみましょう。
WordPressの保守管理でお悩みの方はCMSproへご相談ください。
ホームページ制作、運用・保守管理はCMSproにお任せください。創業16年で2,000件以上の実績あり。41業種という幅広い業種・業界の企業様のWEB集客をサポートしてまいりました。ホームページ制作はもちろん、保守管理、SEO対策、ネット広告運用代行まで幅広く対応し、“収益アップ”に貢献します。
WordPressサイトの保守管理については月額5,980円~で対応可能です。WordPressやプラグインの更新、バックアップといった作業はもちろん、この価格で集客サポートも付いています。お困りの際には電話、メールでのご相談も承ります。ぜひ他社と比較検討してみてください。