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RsEsPsとは?2019年登場の新しい購買行動モデル!特徴やAIDMA等との違いも解説

2023年05月12日(金) 消費者行動モデル

インターネットやSNSの普及により、消費者が情報を得る環境も多様化してきました。従来モデルでは説明が難しいケースも増えています。それに伴い購買行動も複雑化が進み、新たな購買行動モデルも提唱されています。2019年に登場したRsEsPsモデルもそのひとつです。今回はRsEsPsモデルについて詳しくお伝えするとともに、AIDMA等との違いも解説します。

目次

RsEsPsとは?使い方と特徴・構成要素を解説

構成要素
  • Recognition(認識フェーズ)
  • s(検索・共有・拡散)
  • Experience(体験フェーズ)
  • s(検索・共有・拡散)
  • Purchase(購買フェーズ)
  • s(検索・共有・拡散)
用途・特徴 商品を認知してから購買するまでに商品などを「体験する(試用など)」フェーズが入っているほか、各ステップで検索や共有・拡散などのネット上での行動がとられることが想定されているのが特徴
使える商材の例 あらゆる商材
読み方 レップス
派生元 なし
派生先 なし
提唱者 日本プロモーショナル・マーケティング協会
提唱時期 2019年

RsEsPs(レップス)とは、消費者の行動をRecognition(認識)、Experience(体験)、Purchase(購買)3つのフェーズに単純化し、各々の段階で「検索・共有・拡散」が行われていることを示した購買行動モデルです。
2019年、日本プロモーショナル・マーケティング協会により新しく提唱されました。

RsEsPsの大きな特徴は、購入前に「体験」というフェーズが想定されている点にあります。実際に商品を購入したり日常的に利用するようになる前に、商品を試しに使ったり、様々な情報源を使って比較検討することを前提としているのです。

RsEsPsが登場した背景には、ECを含めたインターネット・SNSなどのデジタルの進化や普及により、消費者の購買行動が多面的になり、細分化されたことが影響しています。そのため従来の消費行動モデルでは、リアルな消費行動とはそぐわないケースも出てきました。 そこでRsEsPsでは、各段階に「Search・Spread・Share(検索・共有・拡散)」からなるSを入れています。購入後に限らず情報の検索や共有が行われることを想定したもので、実際の消費者の行動に近い概念となっています。

Recognition(認識フェーズ)

認知する手段の例
  • テレビCM
  • テレビ番組
  • YouTube等の動画共有サイトのCM
  • バナー広告
  • 記事広告
  • SNSの投稿
  • チラシ
  • 新聞や雑誌の広告
  • ネット上の記事
行われる
検索・共有・拡散の例
  • 商品名やブランド名を検索する
  • LINEで友だちや家族に商品やブランドの情報を送る
  • SNSに投稿やいいね!を行うことで拡散する

RsEsPsの1段階目であるRecognitionとは、商品やブランドを認知したり、興味関心を持ったりする段階を意味します。

認知の手段はテレビCMからネット広告をはじめ、広告ではないWEB上の記事やSNSの投稿まで多岐にわたります。消費者が認知した商品について検索したり、調べて分かったことなどをSNSなどで共有・拡散したりすることも考えられます。

Experience(体験フェーズ)

体験する手段の例
  • 試供品
  • ショールームなどの実店舗
  • 無料体験や初回割引
行われる
検索・共有・拡散の例
  • 使った感想をSNSで拡散する
  • 他の商品の情報を検索し比較検討する
  • 友人などに使った感想を話す

RsEsPsの2段階目であるExperienceは、認知した商品を試しに使用する体験の段階です。体験の方法は無料の試供品から、初回割引といった有料の手段まで、様々なものが想定されています。また、同時に、消費者が使用した感想などをSNSで拡散したり、競合商品を検索したりなどの行動を取る場合も想定されます。

Purchase(購買フェーズ)

行われる
検索・共有・拡散の例
  • 使った感想をSNSで拡散する
  • 友人などに商品を勧める
  • 口コミやレビューを書く

RsEsPsの最終段階であるPurchaseは、認知・体験した商品を実際に購入したり、日常的に利用したりする段階になります。この段階では、購入に加えて、消費者が感想をSNSにアップする、友人などに商品を勧める、レビューを書くといった行動も考えられます。

RsEsPsを使用するメリット・デメリット

RsEsPsに関連する購買行動モデル5選

マーケティングの実務で購買行動モデルを使用する際は、RsEsPsだけでなく他の購買行動モデルも知っておき、必要に応じて使い分ける必要があります。RsEsPsに関連する主要な購買行動モデルを5つご紹介します。

AISCEAS

AISCEASの構成要素と仕組み

構成要素
  • Attention(注意)【認知段階】
  • Interest(関心)【認知段階】
  • Search(検索)【感情段階】
  • Comparison(比較)【感情段階】
  • Examination(検討)【感情段階】
  • Action(購買)【行動段階】
  • Share(共有)【行動段階】
派生元 AISAS

AISCEASは、有名な購買行動モデルである「AISAS」の強化版とも言うべき購買行動モデルです。消費者が商品・サービスについて検索するだけでなく、競合商品などと比較検討することを想定しているため、高額な商品を選ぶ際など、慎重に意思決定が行われる商材の購買行動を検討する用途に適しています。

Dual AISAS

Dual AISASの構成要素と仕組み

構成要素 縦軸
(購買行動)
  • A:Attention(注意)【認知段階】
  • I:Interest(購入への興味・関心)【感情段階】
  • S:Search(検索)【感情段階】
  • A:Action(行動)【行動段階】
  • S:Share(共有)【行動段階】
横軸(SNS)
  • A:Activate(活性化)
  • I:Interest(拡散への興味・関心)
  • S:Share(共有)
  • A:Accept(拡散された情報の受容・共鳴)
  • S:Spread(受容した情報の拡散)
派生元 AISAS

AISASから派生したDual AISASは、2015年に電通が提唱した購買行動モデルです。AISAS の考え方に加えて、SNSからのコミュニケーションが消費行動に及ぼす影響も考慮しているのが特徴です。
従来のAISASが表した購買を行う際の消費者行動を縦軸として表し、加えて、購買行動のきっかけとなるSNS上でのコミュニケーションの流れを横軸として表しています。

5A理論

構成要素
  • 認知(AWARE)【認知段階】
  • 訴求(APPEAL)【感情段階】
  • 調査(ASK)【感情段階】
  • 行動(ACT)【行動段階】
  • 推奨(ADVOCATE)【行動段階】
派生元 なし

5A理論とは、ネット(オンライン)とリアル(オフライン)の消費行動の両方を想定した購買行動モデルです。

5A理論の最大の特徴は、漏斗型(ファネル型)になっていない点にあります。 多くの購買行動モデルでは、消費者との接点か一方向で考えられてきました。そのため認知、情報収集、購買、拡散と段階を踏むたびに対象者が絞られていく漏斗型(ファネル)の構造であることが一般的です。
しかし、常時消費者との接点を持つ時代に登場した5A理論では、例えば購入前の消費者が情報を拡散するケースも考えられています。実際の消費者の行動は購入や検索といった前の段階の行動をとったかどうかを問わず行われるものだからです。よって、5A理論では段階ごとで対象者が絞られると考えられておらず、漏斗型になっていません。

AIDCA

AIDCAとは

構成要素
  • Attention(注意)【認知段階】
  • Interest(関心)【感情段階】
  • Desire(欲求)【感情段階】
  • Conviction(確信)【感情段階】
  • Action(購買行動)【行動段階】
派生元 AIDA
AIDMA

AIDCAは、代表的な購買行動モデルAIDMAから派生したモデルです。AIDMAの記憶(Memory)である「商品を知っているが購買意欲を無くしている状態」が、AIDCAでは確信(Conviction)「商品への興味関心・購買意欲が購入すべきという確信に移り変わる状態」に置き換えられています。

主にダイレクトマーケティングやサンプリング、店頭販売・実演販売にマッチした購買行動モデルです。

DECAX

構成要素
  • Discover(発見)【認知段階】
  • Engagement(関係構築)【感情段階】
  • Check(理性的態度による確認・注意)【感情段階】
  • Action(購入)【行動段階】
  • eXperience(体験&共有)【行動段階】
派生元 なし

DECAXとは、SNSやオウンドメディアなどを使ったコンテンツマーケティングを通じた顧客獲得の流れを表した購買行動モデルです。消費者が自社のコンテンツを発見した後、コンテンツを通じて関係性の構築と信頼の獲得を行って購入へとつなげる流れを表しています。

インターネットやSNSが普及し、消費者が情報を「能動的」に獲得できるようになりました。また、マス広告の効果も低下する傾向が見受けられます。消費者自らがアクションを起こすことを想定したマーケティングがより重要になっているのです。能動的に情報収集を行うユーザーにアプローチできるコンテンツマーケティング(Web上の記事やブログ、自社アカウントによるSNSでの情報発信など)とDECAXは今後さらに重要さを増していくと考えられます。

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