消費者が商品・サービスを知り、購入するに至るまでのさまざまなプロセスを示す購買行動モデル(消費者行動モデル)。商材の種類によっても異なるほか、IT化やSNSの浸透などにより現在も進化を続けています。
この記事では代表的なAIDMAやAISAS、AMTUL、5A理論を中心に、購買行動モデルについて幅広く解説します。加えて購買行動モデルを理解するうえで知っておきたいキーワードについてもご紹介しますので、マーケティングを深く理解し、効果的に活用するためにぜひお役立てください。
目次
ネット・リアルの両方を想定した消費者行動モデル3選
購買行動モデルには、マスメディアによる顧客獲得を想定したものやインターネットによる顧客獲得を想定したものなど様々なモデルがあります。
この項目では、理論上においてもネット・リアルの区分なく柔軟に活用することを想定した購買行動モデルからご紹介します。
5A理論:ネットとリアルの購買行動を融合
読み方 | ファイブエー理論 |
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構成要素 |
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5A理論とは、インターネットやSNSが普及した時代において、ネット(オンライン)とリアル(オフライン)の消費行動を融合させた購買行動モデルです。「マーケティングの神様」とも称されるフィリップ・コトラー氏が2016年に提唱したことでも知られています。
従来の購買行動モデルでは、「認知→情報収集→購買→拡散」とステップが進む中で対象者が絞られていく漏斗型(ファネル)を示すのが一般的でした。一方5A理論では、SNSなどネットの影響を受け、商品やサービスを知る人が購入前に情報を拡散、他者にすすめる事例も見受けられます。そのため対象者は減少せず、漏斗型の構造にはならないのです。 これまでのモデルが示すゴールが消費者の「購買」であったのに対し、5A理論では「推奨」を目指しているのも特徴です。
ZMOT・FMOT・SMOT・TMOT:商品購入~ファン化までの流れを解説
読み方 |
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消費者が商品やサービスを購入しようとする何らかの「Stimulus(きっかけ)」を持ち、情報収集するプロセスを4段階で示したのが4MOTの購買モデルです。それぞれ、「ZMOT」「FMOT」「SMOT」「TMOT」という4つのMOTからなります。
「MOT」とは、真実の瞬間(Moment Of Truth)の頭文字からなる言葉です。消費者と企業の接点となる「真実の瞬間」を上手く活用できれば、競合他社と差別化を図れるという考え方を示しています。このMOTについて、情報などからのきっかけの過程である「Stimulus」を経て、店頭で買う前の3秒〜7秒の間の間に判断する FMOT (First Moment of Truth) 、商品を試してからリピートするかどうかを判断するSMOT(Second Moment of Truth)の2つのタイミングが最初に提唱されました。2000年代の前半、P&Gが発表した定義です。
その後インターネット時代は進化し、今度はGoogleがZMOT(Zero Moment of Truth)を提唱します。FMOT以前、消費者は店舗を訪れる前(ゼロ段階)から商品を検索して購買するかどうかを判断している、という考え方です。さらに実際に消費を使用し、ブランド体験を経てファンとなるロイヤルカスタマー化がTMOT(Third Moment of Truth)としてSMOTの後に加えられます。最終的に消費者の4つの評価タイミングとして示され、現在の4MOTの形になりました。
RsEsPs:いつでも情報の検索や拡散を行う消費者行動を想定
読み方 | レップス |
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構成要素 |
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RsEsPsとは、消費者が商品やブランドを認知し、その商品を試しに使い、購買を行うまでのプロセスをシンプルな形で示した購買行動モデルです。2019年に一般社団法人日本プロモショナル・マーケティング協会が提唱した比較的新しい購買行動モデルです。
あらためて主要な消費行動であるRecognition(認識フェーズ)、Experience(体験フェーズ)、Purchase(購買フェーズ)を単純化し、各段階に「Search・Spread・Share(検索・共有・拡散)」からなるSを入れた特徴です。購入後に限らず情報の検索や共有が行われることを想定しており、実際の消費者の行動に近い理論とも言えます。
マスメディアで主に情報収集が行われていた頃の購買行動モデル2選
現在とは異なり、初期の消費者行動モデルは新聞・テレビ・ラジオ等のマスメディアで流すマス広告が消費者との接点となっていました。マスメディアで認知を獲得し、購買につなげることを想定して作られた購買行動モデルについて解説します。
AIDA:最も基本的な購買行動モデル
読み方 | アイダ |
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構成要素 |
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消費行動の代表格であり、最も初期に提唱されたとされる消費者行動モデルがAIDAです。マスメディアで広告を認知した消費者が、「ほしい」と思ってから購入に至るまでの流れが明快に示されています。
AIDAが提唱されたのは1920年代ですが、この当時、存在していたチャネルはマスメディアや街頭の看板くらいであり、広告を目にする機会は数回程度でした。加えて、他社商品とじっくりと比較検討する機会もないため、短期間での購買行動を前提とした内容となっています。
そのシンプルさ故、あらゆる商材に幅広く活用できる、汎用性が高い購買行動モデルです。
AIDMA:AIDAから派生した有名な消費者行動モデル
読み方 | アイドマ |
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構成要素 |
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AIDMAは、最初期に提唱されたマーケティングモデルAIDAに「M」(Memory、記憶)が加えられてできた、AIDAの派生形の購買行動モデルです。1920年代、アメリカで広告や販売で実務書を執筆してきたサミュエル・ローランド・ホールにより提唱されました。
商品を認知し、ほしいと考え購入に至るまでのプロセスがシンプルであるのはAIDAと同様ながら、「商品のことを知っているが購買意欲を無くしている状態」が課程として追加されています。これは、時代の変化によってテレビなどが普及し、商品やサービスの広告に複数回触れるようになったことで、AIDAが提唱されたころよりも購入を検討するまでの時間が伸びたことが理由です。
AIDAと同じくシンプルなので汎用性が高く、より中長期的な消費者の行動が考慮されています。購入前に商品が記憶されるため、途中で「購買意欲がなくなる」ケースも想定される点を意識しなければなりません。
インターネットでの情報収集・情報発信を想定した購買行動モデル3選
マスメディアの広告を経てインターネットが登場したことにより、消費者は商品やサービスの情報を検索などで能動的に調べるようになります。 消費者が能動的に情報を得るようになったことや、SNSなどによる情報を発信する行為が一般化したことで、従来のAIDAやAIDMAでは消費者の行動を説明するのが難しくなってきました。
この項目では、以上の経緯から生まれた、インターネットの利用を念頭に置いた購買行動モデルをご紹介します。
AISAS:インターネット時代の最も基本的な購買行動モデル
読み方 | アイサス |
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構成要素 |
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インターネットの利用を想定した最も基本的な購買行動モデルがAISASです(※AISASはインターネット版のAIDAのようなものと言えます)。2004年、電通により提唱されました。
AISASと従来型の購買モデルAIDMAと比較してみると、「Search(検索)」や 「Share(共有)」など、インターネットを通じて商品やブランドの情報を目にした消費者が、自身で情報収集する「能動的」な行動を経るというインターネットやSNS時代ならではのプロセスが含まれているのが特徴であると言えます。
また、購入後にSNS等による拡散を行うことを想定していることも、従来の購買行動モデルとは異なっており、インターネットの実情に即している点です。
AISCEAS:ネットを使った比較検討を想定
読み方 | アイシーズ |
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構成要素 |
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消費者がネットを使って購買行動を行う際に実施することが多い、競合商品などとの比較検討を行うプロセスをAISASに加えた、AISASの派生形となる購買行動モデルがAISCEASです。2005年、アンヴィコミュニケーションズの望野和美氏によって提唱されました。
「比較」や「検討」といったプロセスはどのような商材であっても大なり小なり行われている一般的な消費行動ですが、高価な商品や自分にとって関与が高い商品(=重要度が高い商品)のような、購入する物を慎重に見極めることが多い商材で特に重視して実施されます。
よって、自社が扱っている商品が最寄り品ではなく買い回り品や専門品の場合であり、機能やデザイン、ブランドなどが重視されている場合や、BtoB購入に決裁者の決裁を要することが一般的なBtoBの商材の場合は、購買行動の分析にAISCEASを使用するのが適していると言えます。
DECAX:コンテンツマーケティング専用の購買行動モデル
読み方 | デキャックス |
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構成要素 |
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DECAXはSNSやオウンドメディアなどを活用した「コンテンツマーケティング」を通じて顧客獲得を図るフローを表した購買行動モデルです。
コンテンツマーケティングでは、消費者が自社のコンテンツを見つけた後、コンテンツを通じてコミュニケーションを図ることで関係性が構築されていき、信頼を獲得したうえで購入へと繋がるのが一連のプロセスです。DECAXはこの流れを表しています。
SNSによる情報収集や情報発信に主眼を置いた購買行動モデル4選
AISASなどが提唱されたことで、AIDMA等が充分にカバーできていなかったインターネット上の購買行動を把握することが可能となりました。
一方で、SNSの利用者が増加したことなどから、インターネット環境が消費者による情報発信やネット上でのコミュニケーションが活発化する方向に変化し、AISASなどの従来の購買行動モデルでは充分に説明することが難しい消費者行動や購買行動も生じました。
この項目では、以上の背景から登場した、SNSをより意識した購買行動モデルをご紹介します。
Dual AISAS:SNSによるコミュニケーションを想定したAISASの派生形
読み方 | デュアルアイサス | |
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構成要素 | 縦軸 (購買行動) |
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横軸(SNS) |
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Dual AISASは、SNSによるコミュニケーションをきっかけに商品の購買に至る消費者の行動を表した購買行動モデルです。AISASから派生したものであり、2015年に電通によって提唱されました。
Dual AISASの特徴は、SNS上でのコミュニケーションの流れを表した縦軸と、商品への購買意欲を持ってから購買に至るまでの流れを表した縦軸の2つの軸で構成されていることです。
元々、商品・サービスに関心がなくても、SNS上でのコミュニケーションを繰り返すうちに商品やブランドへの興味関心が高まっていき、やがて購買意欲が生じる流れが分析されています。
SIPS:SNSでの消費者行動を説明
読み方 | シップス |
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構成要素 |
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情報発信や共有といったSNS上での消費者の行動を表したものがSIPSです。
SNS上でのコミュニケーションにおいて顕著な、コミュニケーションが情報に共感することから始まることや、構成要素に「Action(購買)」が含まれていないことから、購買行動に限らない、SNS上での消費者が行うコミュニケーション全般の分析に使用できるのが特徴といえます。
VISAS:口コミ経由での購買行動を解説
読み方 | ヴィサス |
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構成要素 |
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VISASとは、口コミの影響による購買行動を表現した購買行動モデルです。口コミで商品を認知して購買に至った後、そのまま商品を評価して情報を共有(=口コミを投稿)し、それが次の顧客の獲得に繋がって口コミの投稿と顧客の獲得の流れが循環していく様子が示されています。
VISASでは、消費者が「欲しいと思っていなかったもの」を口コミに影響されて欲しいと思うようになることを想定しています。
このように、顕在顧客と潜在顧客、計画購買と非計画購買のいずれの行動も対応しているのが特徴といえます。
ULSSAS:SNSのUGCを経由した購買行動を解説
読み方 | ウルサス |
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構成要素 |
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ULSSASは、SNS上でユーザーが作成した投稿などの「コンテンツ(UGC)」を契機として購買に至る流れを表した購買行動モデルをいいます。
購買行動(=Action)の後、自身も利用した感想の投稿といったUGCを生み出し、それが新たな顧客獲得につながる顧客獲得の循環が起こることを分析しているのが特徴です。
ULSSASのもう1つの特徴は検索行動にあります。ULSSASでは、SNSの検索機能を使った情報の検索と、検索エンジンを使った情報の検索の、2回の検索が行われることを想定しているのが特徴です(例えば、UGCの影響で見つけた商品に関する口コミをSNSでの検索でさがし、検索エンジンを使って帰る場所を調べるといった購買行動が考えられます)。
マーケティングでは顕在層を獲得することも大切です。しかし限られた顕在層へのアプローチでは顧客獲得拡大にはつながりにくいのが現状です。顕在層を獲得すると同様、潜在層を掘り起こしを図ることも重要になってきます。SNSのUGCはネット上のマーケティングにおける潜在層にリーチする有効な手段となり得るため、ULSSASの重要性はますます高まっていると予想されます。
購買体験やリピーター獲得に主眼を置いた消費者行動モデル3選
AIDMAやAISASといった購買行動モデルでは理論上、1回限りの購買行動を想定しています。対して、継続的な購買行動を行うリピーターを得ることやリピーター獲得に向けた顧客体験、顧客満足度の向上に着目した消費者行動モデルも存在します。
ここからは、購買体験やリピーター獲得をメインに据えた3つの購買行動モデルについてお伝えします。
AMTUL:継続的な購買行動を想定
読み方 | アムツール |
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構成要素 |
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AMTULとは、商品を継続購入する顧客である「リピーター」やブランドのファンとなる「ロイヤルカスタマー」の獲得に特化した購買行動モデルです。商品について知った後、「試供品を使う」「試しに購入する」段階を経て、その商品の購買が日常化し、最終的に固定利用に至るまでのプロセスを説明しています。
日常利用や固定利用を行う顧客は、自分の中でその商品やブランドを選ぶ理由やブランドロイヤリティが醸成されていると考えられるため、AMTULはリピーターやロイヤルカスタマー、ファン獲得を見据えた分析に最適な購買行動モデルと言えます。
AIDAS:顧客満足を重視
読み方 | アイダス |
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構成要素 |
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購買行動モデルの基本であるAIDAに顧客満足(Satisfaction)の視点を加えた購買行動モデルがAIDASです。AIDASでは、商品やブランドを知り検討して購入した顧客が、しっかりと満足し、リピーター化するなど情報共有するまでのプロセスを表しています。
インターネットやSNSが浸透し、誰もが情報発信をできる時代になりました。また、口コミなどを通じて競合商品との比較を行うのも容易です。よって、他社との競合や差別化を図るためには、顧客満足を高め、ポジティブな評判を発信してもらうことが大きな意味を持ちます。
購買行動を分析して集客を考える際は、顧客満足度をいかに向上させるかも考慮するのがおすすめです。
AIDEES:ユーザー体験の充実に注目
読み方 | アイデス |
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構成要素 |
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AIDEESはAIDAの派生形の購買行動モデルです。商品を認知して購入後、消費者が熱中してファンとなり、情報を共有するまでの流れを表しています。AIDAの派生形の購買行動モデルで、ユーザー体験(購買体験)に重きを置いているのが特徴です。
1回限りの購買行動を想定するAIDAに比べ、AIDEESはリピーターやファンになること、つまり複数回の購買を前提としています。また消費者を味方につけることで、情報の共有から新たな顧客獲得へつなげられるメリットがあります。
その他の購買行動モデル2選
ここまでご紹介した購買行動モデルは、「マスメディア」「インターネット」「SNS」「リピーターやファンの獲得」をそれぞれ前提に想定されたモデルですが、この4分類のどれにも当てはまらない購買行動モデルも存在しています。
ここまでの4つの分類に該当しない購買行動モデルを2つご紹介します。
AIDCA:ダイレクトマーケティングでの購買行動を解説
読み方 | アイドカ |
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構成要素 |
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AIDCAはダイレクトマーケティング(サンプリング・DMなど)や人的販売(店頭販売・実演販売など)による消費者行動を分析した購買行動モデルです。
AIDMAの派生形であり、AIDMAで記憶(Memory)となっている箇所がConviction(確信)に変わっているのが特徴です。この、商品への興味関心・購買意欲が「購入すべきだ」という確信へと移り変わることで購買に至る現象は、顧客と企業で双方向のコミュニケーションが行われるダイレクトマーケティングや人的販売で起こりやすいため、AIDCAはこれらの分析に適していると言えます。
AISEPAM:個人情報を多く含む商材の購買行動を解説
読み方 | アイセパム |
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構成要素 |
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AISEPAMとは、不動産・進学・金融などの個人情報が多く含まれる商材を購入する際の消費者行動を説明した購買行動モデルです。
AISEPAMの特徴は関係者の「許可」を得る行動と「情報を拡散しない」という消費者の行動が想定されていることにあります。
インターネットを使って情報の検索や検討を行うところまでは、AISAS他の購買行動モデルとの違いはありません。しかし、不動産・進学・金融などの商材では、購買に至るまでに家族といった消費者の関係者から許可を取る必要があります。
また、金融資産の額や不動産の所在地(=自宅の所在地)のように、購入した商品に個人情報が含まれるため、情報が拡散されません。
このように、個人情報が含まれる商材を購買する際、消費者は一般的な商材とは大きく異なる購買行動をとることが考えられますので、該当する商材を取り扱っている場合はAISEPAMを使って購買行動を分析することをおすすめします。
購買行動理解のために合わせて知っておきたいキーワード集
購買行動への理解を深めるため、合わせて知っておきたいキーワードについてもご紹介します。
マイクロモーメント:スマホですぐに検索・購買する行動
検索意図の種類 |
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マイクロモーメントとは、「何かをしたい」「知りたい」と感じたら、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを用い、反射的に検索を行う瞬間のことです。2015年、Googleによって提唱されました。
ユーザーが検索を行う動機を検索意図といいます。Googleはこの検索意図を大きく分けて「知りたい」「解決したい」「行きたい」「買いたい」「アイデアを得たい」の5種類の動機に分類しています。
つまり、「検索してもらいたい、発見してもらいたい」企業サイト側としては、ユーザーの検索ニーズを踏まえたコンテンツ作成が不可欠となるわけです。例えば飲食店なら。「行きたい」という欲求が検索につながります。そこで「行きたい」ニーズ向けにMEO対策を、「知りたい」ニーズ向けにメニューと価格をホームページに記載するなどの対策が必要となります。
パルス消費:瞬間的な購買意欲によって起こす購買行動
パルス消費で働く 直感センサー |
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現在は、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを使えば、いつでもどこでも、すぐに商品やサービスを購入することが可能です。実際、日常の中で偶然見つけた商品やサービス、何らかのきっかけで思いついたもの、思い出したものなどに瞬間的に購買意欲がわく機会はすくなくありません。このような瞬間的に湧いた購買意欲で直ちに商品やサービスの購入に至るという理論をパルス(型)消費と呼びます。2019年、Googleが自社で行った独自の調査をもとに提唱しました。
一方で今までご紹介してきた「AISAS」などの購買行動モデルは「カスタマージャーニー型」といいます。消費者が「商品に興味を持ち、それについて情報を集め、購入する」というプロセスを「旅のような一連の流れ」としてとらえた考え方です。商品を認知してから購買に至るまで、さまざまな段階を踏み、時間をかけて購入に至る…という概念が一般的でした。
ところが実際の消費者は、時間が空いたときに見たスマホで偶然見つけた商品を購入することも少なくありません。加えて、特に買うものを決めずに店舗やECサイトにアクセスしたり、実は買う瞬間まで知らなかった商品を購入したりという場合もあります。
このような、これまで想定されていなかった消費行動の形を表したのがパルス消費です。