リンク設定をする際に比較的使う機会が多いタグとしてnofollowがあります。このnofollowの意味とはなんでしょうか。本記事では、nofollowの使い方や記述方法、SEO効果のほか、似たようなタグであるnoindexとnofollowの違いと使い分けの仕方などを解説していきます。
目次
nofollowとは?意味とSEO効果を解説
nofollowとは、「no+follow(辿る)」という語源を持つHTMLのrel属性に指定する値のことです。「このページ内にある全てのリンク先を辿らない」「1つのリンク先だけを辿らない」という形で検索エンジンのクローラーに指示をする属性値になります。
リンク先のサイトやページをこのサイトの運営者が推奨しているわけではないと示すためのタグというわけです。nofollowを設定すると、クローラーはそのページやサイトをクロールしなくなる効果があります。
nofollowを使えばリンク先のサイトにSEO効果が移らなくなるため、自社サイトのパフォーマンスの低下を防ぐことができます。通常のリンクにnofollowを入れたリンクに変更するためには、HTMLのソースコードに「rel=”nofollow”」と付け加えて記述します。
<a href="ここにURL" ref="nofollow">ここにリンクテキスト</a>
※使用する際は半角でご使用ください
※relの前には半角スペースを入れる
【注意】外部リンク=全部nofollowは意味が無い古いSEO対策
掲示板の投稿文やブログのコメント欄などにURLが含まれていると自動的にリンクが生成されることになります。そこでそれを利用し、自分のサイトにリンクを獲得したい第三者が他サイトでnofollowを設置することが増えていました。
また、特定のURLに対してnofollowを設定することでリンクの受け渡し先を限定させサイトの評価を上げる内部SEOのテクニック「PageRankスカルプティング」としても使用します。
しかし、既に2009年時点で、Googleのエンジニアであるマット・カッツ氏によって、PageRankスカルプティングは効果が無いことが明言されています。つまり現在では、SEO対策を目的に外部リンク全てにnofollowを付ける意味は無いわけです。
nofollow属性を設定したリンクは、リンク評価の受け渡しも行われません。被リンクによるSEO効果も期待できなくなるわけです。そこで、外部のリンク全部にnofollow属性を付けるのは、意味が無い古いSEO対策となります。
適切なリンクであれば、誰でもリンクを掲載できるスパム対策であるnofollowを付けるべきではありません。ただし、それらを1つ1つ確認して判断するのは現実的とは言えないため、全てnofollowというのは仕方がないことともいえます。
【SEO対策】nofollowを使う効果的なシーン4選
主にSEO対策として使われるnofollowのタグ。このnofollowを全てのリンクに対して使用するのはお勧めしませんが、nofollowを使うべきと考えられるシーンとして4パターンが想定されます。
- 有料リンク(広告へのリンク)を掲載する場合
- 検索結果への表示メリットが無いページへのリンクを掲載する場合
- 掲示板などのユーザー生成コンテンツを掲載する場合
- 信頼性の低いサイトにリンクを貼る場合
以下で、各シーンでのnofollowの使い方と使うべき理由をそれぞれ解説していきます。
有料リンク(広告へのリンク)を掲載する場合
Googleでは金銭などの対価を伴う、SEO効果を持ったリンクの売買を「リンクプログラム」と呼んでおり禁止しており、ペナルティ対象となっています。
リンクプログラムの代表的な例としては、業者に対して対価を払う自作自演のリンクがあります。業者に依頼するものだけでなく、自分で設置するものもリンクプログラムと判断されます。
また、ステマ(ステルスマーケティング)に代表されるように、金銭などの対価をもらって書く広告記事もリンクプログラムと判断されます。そのほか、バナー広告ではないテキスト広告やナチュラルリンクではない相互リンクもリンクプログラムと判断されるようになります。
このようなリンクプログラムには全てにnofollowを付けないと、高い確率でペナルティを受けることになります。
検索結果への表示メリットが無いページへのリンクを掲載する場合
ECサイトのカートページなど、検索結果に表示させる意味がほとんどないページに対してはnofollowを設定すべきです。これは外部リンク・内部リンクともに共通です。内部リンクに限っては、検索結果に表示させる意味がほとんどないページに対しては後述するnoindexも設定すべきです。
PageRankスカルプティングは2009年の時点で意味が無くなっています。そのため現在では、リンクの受け渡し先を絞る目的でnofollowを設定するのは意味がありません。本当に必要がないページのみを除外するのがポイントです。
掲示板などのユーザー生成コンテンツを掲載する場合
掲示板や口コミサイトなどといったCGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)などのUGC(ユーザー生成コンテンツ)を掲載するサイトに関連する対策としてnofollowの設置は有効です。これはコメント欄への設置も含んでいます。
理由としては、UGCにはどのようなサイトやページのリンクを貼られるかわからないことが挙げられます。被リンク獲得のためのスパムのターゲットになることも多くあります。
問題のあるリンクにのみnofollowを設定するのが理想です。しかし、機械学習などを使ったとしても1つ1つリンクをチェックするのは現実的ではありません。そこで一律的にnofollowを設置するのがお勧めの方法です。
CGMやUGCに該当するものとしては以下のサイトやページがあります。
- サイト内のコメント欄
- 口コミサイト
- コミュニティサイト・SNS
- 掲示板
信頼性の低いサイトにリンクを貼る場合
あまり多くはありませんが、何らかの事情により信頼性が低いと考えられるサイトにリンクを張らなければいけない場合にはnofollowを設定したほうが良いでしょう。信頼性が低いと考えられるサイトとしては以下が考えられます。
- 陰謀論などの根拠が無い情報を掲載しているサイト
- 詐欺サイトや詐欺と思われる情報を掲載しているサイト
- アダルトサイト
- 独自のコンテンツが掲載されていないツギハギ情報だけで構成されているキュレーションサイト
【nofollowの書き方】通常のHTMLとWordPressのエディターでの記載方法を解説
nofollowをリンクタグ(aタグ)に追加する方法をサンプルコード付きで以下で解説していきます。なお、WordPressのエディターではnofollowの追加方法が異なる場合もあるために分けて解説します。
通常のリンクへの記載方法
通常のリンクタグに「rel=”nofollow”」を追加するだけで、nofollowが適用できます。具体的には、「rel=””」の前に半角スペースを入れてから「rel=”nofollow”」と記述していきます。
noindexなど、その他の記述がされており、既に「rel」が存在しているコードの場合、rel内部の他要素との間に半角スペースを入れ区切り挿入することでnofollowを含む複数の要素を追加することができます。
<a href="ここにリンク先URLを挿入" rel="nofollow">ここにリンクテキストを挿入</a>
<a href="ここにリンク先URLを挿入" rel="noindex nofollow">ここにリンクテキストを挿入</a>
※使用する際は半角でご使用ください
※relの前には半角スペースを入れる
メタタグでページのリンク全体にnofollowを一括設定する方法
そのページ内に掲載されているリンク全てに一括でnofollowを設定したい場合は、~内に以下のサンプルコードのメタタグを追加します。このコードを記載することで、個別のリンクタグに対して「rel=”nofollow”」を挿入しなくても、ページ内の全てのリンクにnofollowが設定されるようになります。
<meta name=”robots” content=”nofollow” />
※使用する際は半角でご使用ください
※relの前には半角スペースを入れる
WordPressのエディターでnofollowを設定する方法
WordPressの投稿や固定ページのリンクタグにnofollowを設定するときには、使用しているエディターの種類によって方法が異なってきます。
ここではテキストエディター(旧エディター)、ビジュアルエディター(旧エディター)、ブロックエディター(Gutenberg・現行の最新版)の3種類それぞれの方法について解説します。
※以下の方法はmetaタグに設定してページ全体のリンクにnofollowを設定する方法には非対応です。
テキストエディター(旧エディター)での設定方法
テキストエディター(旧エディター)の場合、通常のHTMLタグを直接記載できますので、前述する一般的なHTMLの書き方で紹介したタグと同じコードを記載するだけでかまいません。テキストエディターにある「link」ボタンからリンクを挿入した場合には、挿入されたリンクタグの中に「rel=”nofollow”」を追加するだけです。
<a href="ここにリンク先URLを挿入" rel="nofollow">ここにリンクテキストを挿入</a>
<a href="ここにリンク先URLを挿入" rel="noindex nofollow">ここにリンクテキストを挿入</a>
※使用する際は半角でご使用ください
※relの前には半角スペースを入れる
ビジュアルエディター(旧エディター)での設定方法
ビジュアルエディター(旧エディター)の場合、リンクの挿入箇所からリンクを挿入した後、テキストエディターに切り替えて「rel=”nofollow”」を追記します。
切り替えるには、エディター右上部のタブ「ビジュアル」「テキスト」の箇所から切り替えを行うことができます。
「テキスト」をクリックするとテキストエディターに変わり、「ビジュアル」をクリックするとビジュアルエディターに戻ります。
ブロックエディター(Gutenberg・現行の最新版)での設定方法
ブロックエディター(Gutenberg・現行の最新版)の場合、リンクを追加した後、画面右上部の縦三点リーダー(丸が縦に3つ並んでいるアイコン)をクリックし、「エディター」項目内の「コードエディター」を選択するとHTMLの編集画面に切り替わるので、当該箇所のリンクタグに「rel=”nofollow”」を追記します。
通常のブロックエディター(=ビジュアルエディター)に戻りたい場合には、縦三点リーダーをクリックして「エディター」の「ビジュアルエディター」を選ぶと戻ります。
noindexとnofollowの違いと使い分け
nofollowに似たようなタグであるnoindexとはインデックス自体の拒否を行うことを指示するタグです。nofollowはそのページからリンク先をクロールしないよう指示する物であるため、また異なる意味を持っています。
noindexは外部リンクにも使用するnofollowとは異なり、基本的に自分のサイトへのリンク(内部リンク)にしか使いません。そのため、外部リンクへの設定は不要です。
noindexは内部リンクのみに使用するタグであり、そのサイトを検索結果に表示するメリットが無いような、1枚の画像のみが掲載されているページといった低品質なページや重複しているページなどをインデックスに表示しないようにするために使われます。