行動経済学で顧客心理を探る!
いつもCMSproのメルマガをご覧いただき有難うございます。
今週は、制作担当の石束が担当します。
本日のテーマは
『行動経済学から探る顧客心理』
です!
いきなりですが、皆さまは行動経済学のことをご存知でしょうか。
2017年、米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞し
研究分野であった行動経済学に注目が集まっています。
一見難しそうな学問に思えますが、
実は「貯金」「買い物」「結婚」「恋愛」といった身近な事を「経済活動」として広く扱っています。
そしてその理論は、既にマーケティングや広告など、ビジネスに広く応用されています。
まず行動経済学は経済学とどう違うのかというお話しをします。
■一般的な経済学と行動経済学の違い
一般的な経済学
一般的な経済学はさまざまな経済現象を
「誰もが少しでも多くの利益を得るために合理的判断と選択をした結果だ」
ととらえてきました。
ですが、実際の人の行動はそんなに合理的でない場合が多くあります。
基本的な判断基準として損か得かで判断することはあると思いますが、
常に合理的で間違いない選択をするとは限りません。
ついついその場の気分で「衝動買い」してしまったり、
中身を確かめずに雰囲気で「ジャケ買い」してしまったりすることがあるのではないでしょうか。
こうした人間的な感情を解明しようという学問が「行動経済学」です。
行動経済学
行動経済学はついつい人がしてしまう「判断心理」「行動パターン」を
研究することによって、経済活動に関する人間のリアルな認知傾向や行動の特徴を
明らかにしていこうというものです。
人間の行動パターンとは何か・・・
事例をご紹介します!
■行動経済学の一例
なぜいつも同じ店で食事をしてしまうのか
人は自分の経験を元に「損したくない」という感情が強く働きます。
新しいお店を開拓するという「得したい」という行動よりも
「失敗したくない」という感情が強くなってしまう傾向にあるようです。
よりその傾向が強い人は同じ店でも同じメニューを頼んでしまう傾向にあります。
これを行動心理学では「損失回避の傾向が働く」というようです。
得するよりも損した方が心理的なインパクトが大きいようです。
■行動経済学をマーケティングに利用した一例
行動経済学をマーケティングに利用した事例をご紹介します。
スマホアプリの「ガチャ」
スマホアプリのガチャでは、経済学で言われる「サンクコスト(埋没費用)」を
利用した販売手法が使われています。
サンクコストは簡単に言うと、
取り戻すことができない(時間・お金・労力)のことです。
人はつい取り戻せないものでもそれまでに費やした
時間・お金・労力を回収しようとしてしまう傾向があります。
ガチャは現実世界でのくじと同じような物ですが、課金アイテムとして「ガチャ」をまわすと
レアアイテムやレアキャラが当たるというものです。
くじのように中身は減らないため、確率は一定です。
また、確率が明記されていない場合は当たる確立が1%以上であることが
日本オンラインゲーム協会(JOGA)では決められているようです。
ここでのガチャの目的は「1回やってみようかな」と思わせて体験させた後、
「かけた時間とお金がもったいない」というところまで思わせ課金させることです。
回収できないことが前提となっているということですね・・・
私たちが日常的に行っている判断や行動の裏側にある心理状況を
こういった角度から見てみると面白いかもしれません。
また、行動の心理がわかることで
商品やサービスを販売する際の参考となることも多いはずです。
ご興味のある方は、本などでチェックしてみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
– 石束尚子